株式明日の戦略-大幅安と大幅高を繰り返す、来週の相場も荒れ模様

 11日の日経平均は大幅反落。終値は1023円安の33585円。

 今週の日経平均は安値が30792円まであったが、本日の終値は33585円で、安値からは2800円近く水準を切り上げた。週足のローソク足は下に長いヒゲをつけた陽線。個別を見ても、ピークをつけたように見えるメガバンクやピリッとしない半導体株なども含めて、売買代金上位の常連は多くが週足陽線となっている。この先、今週の安値を下回らずに推移する銘柄が多ければ、底打ち期待が高まる。一方、下回る銘柄が多くなるようだと、一段安に対する警戒が高まる。指数は日々の振れ幅がかなり大きくなっているだけに、森よりも木を注意深く観察することで、全体のトレンドを把握したい局面だ。


【来週の見通し】
 波乱含みか。国内は材料が乏しい上に、本決算の発表を前に3月決算銘柄の多くが手がけづらくなる時期に入る。主力大型株の値動きは不安定となりやすく、今週同様、もしくは今週以上に指数の値動きは荒くなる可能性がある。米国では決算発表が出始めるが、先行き不透明感が強まっているだけに、決算に対する反応は厳しめになるとみておいた方が良い。16日には米3月小売売上高が発表されるが、小売指標が悪かった場合には米国の景気悪化が強く意識されるだけに注意を要する。世界的に株式市場が不安定となっているだけに政策期待は高まりやすく、下値では買いは入るとみる。ただ、乱高下が続く中では高くなれば戻り売りも出やすく、荒い動きが続くだろう。


【今週を振り返る】
 軟調となった。週明け7日の日経平均は前週末のダウ平均が2000ドルを超える下落となったことを嫌気して全面安。8日はナスダック高に好反応を示して全面高となった。9日は米国株安を受けてグロース株が下げを主導して全面安。10日はトランプ大統領が「相互関税」の一時停止を表明したことで2894円高と大きく跳ねたが、11日は米国株安や円高を嫌気して全面安となった。5営業日すべてで4桁の値幅が出た上に、全面安と全面高を交互に繰り返した1週間。日経平均は週間では195円の下落となったが、週初の発射台が低く、週足では3週ぶりに陽線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、「2025大阪・関西万博」(大阪・夢洲~10/13)(4/13)、20年国債入札(4/15)、2月機械受注(4/16)、3月貿易統計(4/17)、3月消費者物価指数(CPI)(4/18)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、中国3月貿易収支(4/14)、独4月ZEW景況感指数、米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米3月輸出物価指数、米3月輸入物価指数(4/15)、中国1-3月期GDP、中国3月鉱工業生産、中国3月小売売上高、米3月小売売上高、米3月鉱工業生産指数、米3月設備稼働率、米4月NAHB住宅市場指数、パウエルFRB議長発言、米2月対米証券投資、米20年国債入札(4/16)、ECB定例理事会、米3月住宅着工件数、米3月建設許可件数、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数(4/17)などがある。
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