NY為替見通し=米インフレ指標に注目、トランプ関税報道への警戒は続く

 本日のニューヨーク為替市場では、引き続きトランプ関税関連の発言や報道に警戒は継続。米株式・債券市場の動向を見極めつつ、米3月米卸売物価指数(PPI)や4月米消費者態度指数の1年先のインフレ期待に注目することになる。

 本日は中国が、4月12日から米国製品への追加関税を84%から125%に引き上げる、と表明しており、トランプ米政権の追加引き上げの可能性には警戒しておきたい。
 
 トランプ米政権が相互関税発動の90日間猶予を決定した要因とされる「米10年債利回りの急上昇」に関しては、中国による報復的な米国債売却説、ヘッジファンドや本邦機関投資家による売りなどが指摘されている。今後は、危険水準と見なされている4.5%を巡る動向に注視しておきたい。

 3月PPIは、前月比+0.2%/前年比+3.3%と予想されており、それぞれ前回2月の前月比±0.0%/前年比+3.2%からの伸び率上昇見込み。昨日発表された3月米消費者物価指数(CPI)は、予想を下回る前月比-0.1%/前年比+2.4%でドルの重しとなった。本日PPIが予想通りであれば、物価動向の上流と下流での乖離となり、これに市場がどのような反応を示すか興味深い。

 4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)は54.5予想と、3月確報値の57.0からの悪化が見込まれている。市場が気にかけるのは、1年先のインフレ期待だろう。3月の5.0%からさらに上昇していた場合、関税スタグフレーションへの警戒感が高まることになる。結果次第では相場の波乱要因となるか。

 CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の追加利下げ時期は、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)と見立てだ。現状、年内4回の利下げで12月時点のFF金利誘導目標は3.25-50%を織り込む動きが優勢だ。

 本日講演が予定されているムサレム米セントルイス連銀総裁やウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁からは、関税スタグフレーションや利下げ時期への言及に注目しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、144.00円(4/9安値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、141.65円(2024/9/30安値)
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