NY為替見通し=リスク回避の強度を探りながらの取引、米債相場にも注目

 本日のニューヨーク為替市場でも、依然として世界中を混乱させているトランプ関税に絡んだニュースに要注目。株・債券、為替とボラティリティが高まっており、まだ暫くはリスク回避の強度を探りながらの取引となりそうだ。

 トランプ米政権は、本日の日本時間13時1分に予定通り広範な関税を発動。今回は米国にとって貿易赤字の大きい国・地域を対象に上乗せ税率が適用された。中国に対しては50%上乗せし、関税賦課は合計104%まで拡大。これを受けて、世界経済の二大国による貿易戦争への警戒感が一層高まった。

 もっとも執筆時点では、材料出尽くし感とまでは行かないものの、一旦は様子見ムードが広がっている。急騰した米長期金利も上昇幅を縮小し、時間外の米株先物も大幅安から一時プラス圏に浮上。米国からの関税攻撃に対して、今のところ中国が懸念の表明だけに留まっていることが様子見に繋がっているか。今後は、トランプ関税に対する中国の反撃がどの程度なのかを見定める必要がある。

 また今回の関税について、おそらくNY朝にはでると思われるトランプ大統領や米政権高官からの見解も注目。トランプ米大統領が強硬な姿勢を緩めることはないだろうが、高官が何らかの交渉余地を示す可能性はあるかもしれない。

 ところで本日の上乗せ関税発動を挟み、時間外の米債券相場が暴落(金利は急騰)した。米10年債利回りは4.33%前後から一時4.51%台まで上昇。同30年債利回りに至っては、5.01%台と2023年11月以来の水準まで急上昇した。欧州時間に入り落ち着いてはいるものの、本日NY午後に控える米10年債の入札の結果次第では債券相場の不安定さがぶり返すかもしれない。そうなると、ドル相場も神経質に上下することになるだろう。

想定レンジ上限
・ドル円、本日高値146.36円

想定レンジ下限
・ドル円、4日安値144.56円


(小針)
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