ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、上昇

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。24時時点では143.53円と22時時点(142.52円)と比べて1円01銭程度のドル高水準だった。「米国は非公式の協議で中国に報復しないよう警告」「中国側に習近平国家主席とトランプ米大統領の電話会談を要請するよう指示」との報道が伝わると、米国株やドルに買い戻しが先行。22時30分過ぎには一時143.55円付近まで値を上げた。
 ただ、買い一巡後は上値が重くなった。23時発表の4月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は50.8と予想の54.5を下回った一方、1年先の期待インフレ率は6.7%、5-10年先は4.4%といずれも予想を上回った。景況感が悪化する中、物価が上昇することへの警戒が高まると株価の失速とともにドル円にも売りが出て142円台後半まで下げた。なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5785%前後と2月13日以来の高水準を付けた。
 もっとも、そのあとは再び強含んだ。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りが警戒される中、週末を控えたショートカバーが入り143.63円付近まで持ち直した。

 ユーロドルは弱含み。24時時点では1.1338ドルと22時時点(1.1395ドル)と比べて0.0057ドル程度のユーロ安水準だった。「米政府は米中首脳電話会談を要請するように指示した」との報道を受けてドル買いが先行すると1.1325ドル付近まで下押しした。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすかった。

 ユーロ円はじり高。24時時点では162.73円と22時時点(162.40円)と比べて33銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入った半面、ユーロドルの下落につれた売りが出たため、相場はじり高の展開となった。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:142.07円 - 144.64円
ユーロドル:1.1191ドル - 1.1473ドル
ユーロ円:161.31円 - 163.13円

(中村)
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