ロンドン為替見通し=ドル相場、底堅さ取り戻すか 指標は英雇用データや独ZEW

 本日のロンドン為替市場では、先週後半に売り込まれたドル相場が底堅さを取り戻しつつある動きに注目か。依然として、金融市場の中心トピックは「トランプ関税」であることに変わりはない。ただし、先週は一時パニック売りが広がった株式や債券市場も落ち着きを取り戻しており、過度な警戒感は後退している。

 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは、執筆時点では100を割り込んだ水準で推移している。昨日は何度か100を超える場面があったものの、一巡後は二桁台に押し戻された。もっとも、11日に約3年ぶりの安値99.01を付けた後は下値を切り上げてはいる。ドルインデックスが99台で底固めするようだと、ドル買いに安心感が広がるだろう。

 経済指標の発表は複数あるものの、材料となりそうなのは英雇用データと独4月ZEW景況感指数か。英指標では、高止まる失業率に注目。ILO方式の12-2月失業率は4%超えが確実視され、過去1年の上限4.4%が市場予想だ。先日、大手米金融機関が今年の英成長率見通しを従来予測の1.1%から0.6%に引き下げたこともあり、労働市場の弱さを示す結果に対してポンド相場はより敏感に反応するのではないか。

 4月独ZEW景況感指数は9.5と前回51.6から大幅に下振れが見込まれている。足もとでは懸念が薄れたとはいえ、トランプ関税の悪いイメージが払しょくされたわけではない。独経済の成長減速は避けられないとの見方が引かないようだと、今後も景況感の悪化は続いてしまうだろう。

想定レンジ上限
・ポンドドル、2024年10月3日高値1.3274ドル
・ユーロドル、14日高値1.1425ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、14日安値1.3041ドル
・ユーロドル、7-11日レンジの上限から61.8%押し1.1247ドル


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。