ロンドン為替見通し=英独の経済指標やウクライナ停戦合意の行方に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、1月独消費者物価指数(CPI)改定値を見極めた後は、ウクライナ停戦合意の行方に注目していく展開となる。

 ウクライナ停戦合意に関しては、トランプ米大統領とプーチン露大統領がサウジアラビアで首脳会談を行う予定、と報じられている。
 1月26日、ウクライナの『Strana』紙が、トランプ米大統領が100日間で「ウクライナ戦争を終結させるとする計画」(100 Day' Ukraine Peace Plan)を検討している、と報じていた。
 内容は以下の通りだが、ロシア寄りの停戦合意となっており、ウクライナや欧州からの反発が予想されるため、引き続き難航が懸念される。

・1月下旬-2月上旬:トランプ米大統領とプーチン大統領が電話会談を行う
・2月-3月:プーチン露大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領が会談する
・4月20日の復活祭までに停戦を宣言
・5月9日までに合意された戦争終結の条件に関する宣言を発表
 ウクライナ軍はロシア領のクルスクから撤退し、国連の国際平和会議(IPC)が戦争終結のための両国の仲介作業を開始する。ウクライナ政府には戒厳令の延長や動員を行わないよう要請する。
・ウクライナのNATO加盟を禁じ、中立を宣言すること
・2030年までにウクライナがEUの一員となること
・EUが戦後の復興を支援すること
・ウクライナは自国の軍隊の規模を維持し、アメリカから軍事支援を受け続けることができる
・ロシアによる占領地を奪還しようとする軍事的・外交的試みを放棄し、占領地に対するロシア連邦の主権を公式に承認する
・西側の対ロ制裁は、終戦協定の遵守状況によっては3年以内に解除される可能性
・ロシアの石油・ガスのEUへの輸出制限は解除される代わりに特別関税を課し、その収入はウクライナの復興に充てられる

 ポンドドルも、12月英国内総生産(GDP、予想:前月比+0.1%)や10-12月期英GDP速報値(予想:前期比-0.1%/前年比+1.1%)などを見極めた後は、ウクライナ情勢に注目することになる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0442ドル(2/5高値)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:1.2550ドル(2/5高値)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0292ドル(2/11安値)
・ユーロ円:158.29円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2325ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:191.44円(日足一目均衡表・基準線)


(山下)
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