欧州マーケットダイジェスト・22日 株安・金利低下・ドル高

(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.21円(22日15時時点比△0.87円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.50円(△0.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1268ドル(▲0.0066ドル)
FTSE100種総合株価指数:8739.26(前営業日比▲47.20)
ドイツ株式指数(DAX):23999.17(▲123.23)
10年物英国債利回り:4.751%(▲0.006%)
10年物独国債利回り:2.643%(▲0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
5月仏企業景況感指数
         96       97・改
5月仏製造業PMI速報値
        49.5       48.7
5月仏サービス部門PMI速報値
        47.4       47.3
5月独製造業PMI速報値
        48.8       48.4
5月独サービス部門PMI速報値
        47.2       49.0
5月独Ifo企業景況感指数
        87.5       86.9
5月ユーロ圏製造業PMI速報値
        49.4       49.0
5月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
        48.9       50.1
5月英製造業PMI速報値
        45.1       45.4
5月英サービス部門PMI速報値
        50.2       49.0

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。5月の仏・独・ユーロ圏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を下回ったことを受けて、ユーロ圏景気の不透明感が意識されるとユーロ売り・ドル買いが先行。NYの取引時間帯に入ると、足もとで進んでいた米国の「トリプル安(株安・債券安・通貨安)」を巻き戻す動きが活発化し、2時30分前に一時1.1256ドルと日通し安値を更新した。
 米議会下院はこの日、トランプ米大統領の看板政策である大型減税を盛り込んだ法案を可決。米財政悪化を巡る懸念から米長期金利は一段と上昇したものの、米上院での審議を待ちたいとの思惑もあり、そのあとは低下に転じた。
 米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.6247%前後と2月12日以来の高水準を付けたものの、NY午後には4.53%台まで低下。また、米株式市場でダウ平均は安く始まったあと持ち直し、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは100.12まで上昇した。

・ドル円は底堅い動き。ユーロ円の下落につれた円買い・ドル売りが先行すると一時142.81円と7日以来の安値を付けたものの、同日の安値142.42円や6日の安値142.36円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。21日(日本時間22日)の日米財務相会談で「為替水準に関する議論」が見送られたことを受けて、円安是正の思惑が後退したことも相場を下支えした。
 NY市場では5月米PMI速報値が予想より強い内容だったことが伝わり、円売り・ドル買いが活発化。米国株相場や米国債相場の持ち直しとともにドル買い戻しも優勢となり、2時30分前に一時144.33円付近まで値を上げた。

・ユーロ円は下げ渋り。日本時間夕刻に一時161.81円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出ると、3時過ぎに162.55円付近まで値を戻した。

・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。前日に約2カ月半ぶりの高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。5月英製造業PMI速報値が予想を下回ったことも相場の重し。原油先物価格の下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は6日ぶりに反落。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。前日の米国株相場が大幅に下落したことも投資家心理を冷やした。個別ではポルシェ(4.31%安)やメルク(2.93%安)、ハイデルベルク・マテリアルズ(2.41%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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