ロンドン為替見通し=独5月CPIを見極めつつ欧米通商交渉関連報道には要警戒か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、5月独消費者物価指数(CPI)速報値を見極めた後は、月末のロンドンフィキシングに向けたフローや欧米通商交渉関連のヘッドラインに警戒していく展開が予想される。

 5月ユーロ圏の消費者物価指数(HICP)の先行指標としての5月独CPI速報値は、前月比+0.1%、前年比+2.0%と予想されている。先日発表された5月仏CPI速報値は前年比+0.7%だった。
 来週6月3日にユーロ圏5月の消費者物価指数(HICP)速報値が発表され、4-5日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。

 ユーロ圏5月HICPが4月の前年比+2.2%からさらに伸び率が鈍化して、ECBのインフレ目標2%に接近した場合、ECB理事会での追加利下げ観測が高まることになる。

 28日に、欧州連合(EU)欧州委員会のセフコビッチ委員(通商担当)は、ラトニック米商務長官と航空宇宙、鉄鋼、半導体、重要鉱物などの分野で協力する可能性について協議し、29日も関税を制限する取引を模索するために電話で協議した、と報じられている。

 ベッセント米財務長官は、EUとの通商交渉が難航している要因として、「欧州の一部諸国は不公平なデジタルサービス税を米国に対して課している」ことを挙げていた。
 トランプ米大統領は、「合意に至らない、もしくはわれわれが不当な扱いを受ければ、私に米国との貿易を巡るディールを成立させる権限があることを忘れてはならない」と警告しており、交渉が難航して、決裂するリスクにも警戒しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1440ドル(4/23高値)
・ユーロ円:165.21円(5/13高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.1210ドル(5/29安値)
・ユーロ円:162.68円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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