ロンドン為替見通し=米露首脳会談、独議会での採決、3月ZEW景況感指数などに要注目

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、3月独・ユーロ圏のZEW景況感指数を見極めながら、トランプ米大統領とプーチン露大統領とのウクライナ停戦協議やドイツ連邦議会での独財政パッケージの採決などの結果を待つ展開となる。

 3月独ZEW景況感指数は50.3と予想されており、2月の26.0からの大幅改善が見込まれている。予想通りならば、現状のユーロ高基調を支持することになる。

 ウクライナ情勢に関しては、ゼレンスキー・ウクライナ大統領が30日間の停戦案受け入れを表明したものの、ロシア側は「危機の根本原因を取り除くものでなければならない」と注文をつけ、事実上受け入れを拒否していた。
 本日予定されている、トランプ米大統領とプーチン露大統領の電話協議では、トランプ米大統領が「ディールの見込みが極めて高い。ウクライナ停戦に向けた最終合意の多くの要素について合意している」と述べており、関連ヘッドラインに注目しておきたい。

 本日のドイツ連邦議会では、メルツ独CDU党首が提案している防衛・インフラ投資支出パッケージの採決が行われるが、キャスティング・ボートを握る「緑の党」が支持を表明していることで、可決される見込みとなっている。
 ユーロドルはドイツの財政拡大への転換というゲームチェンジャーで1.09ドル台まで上昇してきており、独議会での承認を受けて、「思惑で仕掛けて事実で手仕舞う」ことになるのか、それとも1.10ドル台乗せとなるのか注目しておきたい。

 中期的なリスクシナリオとしては、欧州の再軍備計画やドイツの財政拡張の財源としての国債増発により、欧州債務危機の再来懸念などが挙げられている。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1040ドル(2024/10/4高値)
・ユーロ円:164.08円(1/24高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0857ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.50円(3/17安値)



(山下)
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