ロンドン為替見通し=「米トリプル安の巻き戻し」の影響見定め、指標は4月独Ifo

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、昨日ニューヨーク市場でも続いた「米トリプル安(ドル安・株安・債券安)の巻き戻し」の影響を見定める展開か。経済指標は欧州序盤に4月独Ifo企業景況感指数、また欧州午後には複数の欧州金融当局者による講演が予定されている。

 トランプ米大統領による中国への態度をやや和らげたような発言や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長への圧力を弱めたような見方を示したことで米資産に資金が戻りつつある。ただ、NY市場が引けた現地時間夕刻の会見でトランプ大統領は、「中国と取引なければそれはそれでOK」「パウエルFRB議長は間違い犯したと思っている」とも述べた。貿易摩擦や中銀独立性への懸念は残ったままであり、依然として関連報道には欧州市場でも注意すべきだろう。

 日本時間17時発表の4月独Ifo企業景況感指数は市場予想85.2と、4カ月ぶりに前回から下振れる見込みだ。直近で一番低い水準が12月分の84.7であり、同水準が意識され始めるようだと、ユーロも買いづらくなるだろう。なお昨日発表された4月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.0と予想を上回ったとはいえ、前回値には届かなかった。

 当局者の講演はナーゲル独連銀総裁やレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事、リトアニア中銀総裁とフィンランド中銀総裁らも予定されている。この中ではやはり、ECBチーフ・エコノミストでもあるレーン専務理事に注目か。同専務理事は昨日、最近のドル離れの動きについて、「過剰に配分されていたドル資産から、ユーロなど他通貨への『より自然な配分』に移行している可能性がある」との見解を示した。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1419ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、15日安値1.1264ドル



(小針)
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