ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ユーロドル、反落

 14日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.0018ドルと前営業日NY終値(1.0059ドル)と比べて0.0041ドル程度のユーロ安水準だった。前日の6月米消費者物価指数(CPI)に続き、6月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことが分かると、市場では今月26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1.00%の利上げが実施されるとの観測が高まった。米金利の上昇とともにドル買いが先行すると、前日の安値0.9998ドルを下抜けてストップロスを誘発。23時前に一時0.9952ドルと2002年12月以来約20年ぶりの安値を更新した。
 ただ、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「7月は0.75%利上げが基本シナリオ」「市場は1%利上げに関してやや先走った可能性」と発言すると、市場で台頭していた1%の利上げ観測が後退し、ドル売りで反応した。1時前には1.0048ドル付近まで値を戻す場面があった。
 もっとも、ドラギ伊首相が辞任表明すると伊政局不安が高まり再びユーロを売る動きが優勢に。2時前には0.9984ドル付近へ下落し、再度パリティ割れとなった。なお、ドラギ氏の辞任の申し出はマッタレッラ伊大統領に拒否された。

 ドル円は続伸。終値は138.96円と前営業日NY終値(137.39円)と比べて1円57銭程度のドル高水準だった。予想を上回る米PPIを受けて一時139.37円と日本時間夕刻に付けた約24年ぶりの高値139.39円に迫ったものの、上抜けることは出来なかった。ウォラー氏が「今月は0.75%の利上げを支持する」と発言すると、138.71円付近まで下押しした。
 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月のFOMCでの1%の利上げ確率は40%近辺まで下がり、0.75%の利上げ確率は60%近辺まで上がった。
 なお、ウォラー氏は「FOMCまでに出る小売や住宅指標などが予想よりも強い場合、大幅な利上げを支持する」と述べ、経済指標次第では1%の利上げを支持する考えも示した。

 ユーロ円も続伸。終値は139.23円と前営業日NY終値(138.19円)と比べて1円04銭程度のユーロ高水準。ただ、NYの取引時間帯に限ればドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出なかった。

本日の参考レンジ
ドル円:137.28円 - 139.39円
ユーロドル:0.9952ドル - 1.0065ドル
ユーロ円:137.99円 - 139.77円

(中村)
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