ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、4日続落

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続落。終値は131.61円と前営業日NY終値(133.27円)と比べて1円66銭程度のドル安水準だった。米景気減速への懸念が根強い中、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めのペースを緩めるとの見方から、米10年債利回りが一時2.5714%前後と4月7日以来約4カ月ぶりの低水準を記録。全般ドル売りが優勢となり、一時131.60円と6月16日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。市場では「米経済の先行き不透明感が強まる中、短期筋主導で積み上がってきた円売り・ドル買いポジションを解消する動きが見られた」との指摘があった。
 23時発表の7月米ISM製造業景気指数が52.8と予想の52.0を上回ったことが分かると、132.39円付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。「ペロシ米下院議長は明日2日に台湾を訪問する見通し」との報道が相次ぐと、米中間の地政学リスクの高まりが警戒されてドルの上値を抑えた。
 なお、複数の米台メディアは「ペロシ氏は台湾訪問を決行し、政府高官らと会談する計画」と報じた。これに対して中国政府は「ペロシ氏が台訪すれば必ずや強力な対抗措置をとる。軍も決して黙って見ていない」と述べ、軍事行動も辞さない構えを見せている。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0262ドルと前営業日NY終値(1.0220ドル)と比べて0.0042ドル程度のユーロ高水準だった。米景気減速懸念やFRBの大幅な利上げペースが後退するとの観測を背景に、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。一時1.0275ドルと7月21日以来の高値を付けた。

 ユーロ円は3日続落。終値は135.06円と前営業日NY終値(136.16円)と比べて1円10銭程度のユーロ安水準。ドル円の下落につれた売りが出ると一時135.00円と本日安値を付けた。ただ、ユーロドルが上昇した影響を受けたため、一本調子で下落する展開にはならなかった。

本日の参考レンジ
ドル円:131.60円 - 133.56円
ユーロドル:1.0205ドル - 1.0275ドル
ユーロ円:135.00円 - 136.34円

(中村)
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