週間為替展望(豪ドル/ZAR)- 豪ドル、米イベントを前に神経質な動きか

◆RBA議事要旨、新味に乏しい内容
◆豪ドル、ジャクソンホール会議を控えて方向感が定まりにくい
◆ZAR、南ア国内経済の先行きに不透明感

予想レンジ
豪ドル円 91.50-96.00円
南ア・ランド円 7.80-8.30円

8月22日週の展望
 豪ドルは神経質な展開か。足もとでは対ドルでの豪ドル買い基調に一服感が広がっており、調整が本格化するか見極めたいところだ。ただ、来週は25-27日に米カンザスシティー連銀主催のジャクソンホール会議が控えており、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を巡って神経質な展開となる可能性が高く、週末にかけて相場は方向感の定まらない展開となることが予想される。

 今週公表された8月豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨では「金融情勢の正常化に向けて一段の措置が必要だが、あらかじめ設定された道筋はない」などの見解が示された。また、将来的にインフレが鈍化するとの中銀予測に基づいて、「政策金利は年末までに約3%に上昇する」との言及もあった。総じて理事会後の声明文に沿った内容であったことから豪ドルの反応は限定的だったが、次回会合(9月7日)へのヒントもその分乏しく、市場では次回の利上げ幅について25bpとなるか50bpとなるか確信が持てていないようだ。

 また、来週は25-27日に注目のジャクソンホール会議が3年ぶりに対面で実施予定。パウエルFRB議長が金融政策に関して「市場に今以上のヒントを与える可能性は低い」との声も聞かれているものの、やはり、会議が近づくにつれて市場も神経質とならざるを得ないだろう。豪州から特段の経済指標の発表が予定されていないということもあり、投資家のリスク志向や商品相場などの動向をにらみつつの動きとなるが、明確な方向感は定まりにくいだろう。

 来週は豪州から主な経済指標の発表は予定されていないが、NZからは25日に4-6月期四半期小売売上高が発表される予定となっている。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開か。今週発表された6月小売売上高は前年同月比で2.5%減となり、昨年1月以来の弱い結果となった。継続的な電力負荷制限の影響もあって、南ア国内経済の先行き不透明感が強まっており、積極的にZAR買いを進めにくい状況となっている。なお、来週は23日に4-6月期四半期失業率、24日に7月消費者物価指数(CPI)、25日に7月卸売物価指数(PPI)が発表予定。南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は直近の金融政策決定会合で、インフレ見通しに対するリスクを「上振れ」と評価していることから、特にCPIの水準には注意しておきたい。

8月15日週の回顧
 豪ドルはさえない動きとなった。商品先物価格の下落を背景に週明け15日から売りが先行。株安を背景に投資家のリスクセンチメント低下を受けた売りも出たほか、4-6月期賃金指数など今週発表された経済指標が総じて弱い結果となったことも相場の重しとなった。ZARもプラチナなど商品相場の下落を背景に弱含む動き。6月小売売上高が弱い結果となったこともZARの売り要因として意識された。(了)
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