ロンドン為替見通し=ユーロやポンド、対ドルでの下値余地を探るか

 本日のロンドン為替市場でユーロやポンドは対ドルでの下値余地を探る展開か。週末にはナーゲル独連銀総裁の主張「独景気後退の可能性は高まっているものの、インフレ抑制のために欧州中央銀行(ECB)は利上げを続けるべき」を独紙が報じた。英国も同様にスタグフレーション(景気停滞のなかでの物価高)の警戒感が高まっている。

 景気の足を引っ張るとされる「天然ガス価格の上昇」が再び顕著となってきた。欧州天然ガスの指標価格であるオランダTTFガス先物は6月の安いところから3倍にもなっている。足もとの景況感を確認するには、明日23日発表の欧州の8月製造業/サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値を待つ必要があるかもしれないが、ネガティブな材料は目立つ。

 また天然ガス以外の発電力が停滞するとの懸念も気になるところだろう。欧州では主要河川の水位が低下し、ドイツでは発電所に向けた石炭輸送に支障が出ており、フランスでも原子炉冷却への水の使用制限に迫られているという。

 先週末に弱いまま終えた欧州株や債券が更なる売り圧力に晒されるようだと、ユーロドルやポンドドルは意外とあっさり年初来安値を更新することになるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドルは19日高値1.0096ドルが目先の上値めど、ポンドドルも19日高値1.1938ドルが抵抗水準。

想定レンジ下限
・ユーロドルとポンドドルは7月14日につけたそれぞれの年初来安値0.9952ドルと1.1760ドルが下値めど。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。