株式明日の戦略-3日続落も売り急ぎは見られず、目先は気迷いムードが強まるか

 22日の日経平均は3日続落。終値は135円安の28794円。先週末の米国株が大きめの下げとなったことを受けて、寄り付きから大幅安。ただ、300円超下げて28500円台に突入したところでは売り一巡感が出てきた。しばらく安値圏でもみ合ったが、中国の利下げが伝わったことで値を戻し、前場は3桁安ながら高値圏で終了。しかし、下げ幅を2桁に縮めることはできず、後場は戻り一服で28800円近辺での小動きが続いた。米長期金利の上昇が嫌気され、グロースコア指数が3%を超える下落となった。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆1200億円。業種別では鉱業、石油・石炭、医薬品などが上昇した一方、電気機器、非鉄金属、証券・商品先物などが下落した。IBJ<6071.T>による株式大量保有が判明したセイファート<9213.T>が急騰。半面、シティインデックスイレブンスの保有株一部売却が判明した富士石油<5017.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり798/値下がり956。原油高を手掛かりにINPEX、ENEOS、出光興産などが強い上昇。三井物産や三菱商事など商社株にも買いが入った。証券会社が目標株価を引き上げた第一三共が大幅高。内需系の銘柄に資金が向かっており、NTT、KDDIなど通信株や、大成建設、清水建設など建設株が堅調だった。決算が好感されたあいHDが年初来高値を更新。配当方針を見直し、株主還元強化を発表したサンウッドがストップ高比例配分となった。

 一方、米国でグロース株が弱かったことから、東京エレクトロン、TDK、ロームなどハイテク関連の多くが下落。先週強かったメルカリが4.3%安と弱さが目立った。新興グロース株が嫌われており、EDP、M&A総研、サンウェルズなど直近IPO銘柄には手じまい売りに押されるものが多く散見された。先週動意づいたアイスタイルは上を試す場面もあったが、値を保てず小幅な下落。決算が失望材料となった北川精機が急落した。

 日経平均は3日続落。ただ、19日の米国株が嫌な感じの下げとなった割には、安値(28586円)を9時02分と早い時間につけており、28500円も下回らなかった。ジャクソンホール会合が開催される週で、ある程度相場が不安定となるのは織り込み済みということなのだろう。米10年債利回りが3%に接近しており、金利が一段と上昇してしまうようだとグロース株は厳しくなる。一方、その場合には景気敏感系のバリュー株には見直し買いが入ると見込まれる。ジャクソンホール会合で米国の金融政策の手掛かりを得るまでは楽観にも悲観にも傾きづらく、目先は様子見姿勢の強い地合いが続くことになりそうだ。
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