株式明日の戦略―TOPIXの優位性、円安継続がカギ

 19日の日経平均は小幅続落。終値は11円安の28930円。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆3900億円。騰落銘柄数は値上がり1077/値下がり650だった。売買代金上位では、メルカリが6連騰。半導体関連の東京エレクや信越化学が上昇したほか、ソニー、レノバなどの上昇が目立った。

【来週の見通し】
 来週の日経平均株価の予想レンジは28500円~29300円。東京株式市場は週前半安・後半高か。8月第2週(8/8~8/12)の投資主体別売買動向(現物と先物を合算)では、海外投資家は7月第3週から先物の買い越しを続けたことが判明した。特に最近ではTOPIX型が増加しており、今週8/17にもTOPIX型の幅広い買いが散見された。現物指数のTOPIXはテクニカル面では5日移動平均線上を維持しており、円売り・株先買いが続いている公算が大きい。
 週後半には、米カンザスシティー連銀主催のジャクソンホール会合(8/25~8/27)が開催されることや、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する7月PCEデフレータ(8/26)の発表がある。これをにらみながら前半は神経質な相場環境が続きそうだ。
 為替市場の動向がポイントとなる。ドル円は8月前半の高値を上回ってきたことで、円安方向に動意が生じる展開が予想される。週後半の株高があるとすれば、円安環境に焦点が移るシナリオが想定される。ただ、円安は日本株全般(指数)にとっては追い風となるが、同じ勢いで米10年債利回りの上昇がともなうようだと、グロース株には重荷となる。原油相場の動向も重要で、原油高の環境では株は手掛けづらい。
 金融市場ではFRBによる利上げ見通しの緩和期待が進んでいた。一方、最近のFRB当局者らのタカ派寄り発言は、そういった市場の見方への警戒感の表れでもあり、9月会合では0.75%の利上げが実施されるのではないかとの見方が再び強まっている。翌週には8月雇用統計(9/2)など労働需給がひっ迫する中、短期的には最大の注目材料を控えている。

 日経平均のテクニカル面では、上向き基調が続く5日線(28967円 8/19)を意識した展開が続く。1/6の急落で形成したマド埋めを達成し、終値ベースで29000円台を回復する場面があった。目先的には年初来高値(29388円)更新につながるかが焦点となる。25日線(27974円 同)からの上方かい離率は3.4%程度で過熱感は若干解消された。
 一方、3月安値から同月高値までの上昇値幅分を、6/20安値からの上昇でほぼクリアした。日柄面では、6/20から一目均衡表の基本数値「42」日が8/18に経過したことで、その前後では目先の相場基調に変化が生じやすい。ただし、「42」は「33」に続く時間論の中で独自に決められた数値である。「42」を経過したあとも基本数値は「51」「65」「76」と続く。足元、短期テクニカル指標に売りサインが点灯したわけでもなく、来週も上述した基本数値の日柄までは継続してトレンドフォローのスタンスを確認する必要がある。

【来週の予定】
 国内の主要な国内経済指標の発表は、7月首都圏マンション発売(8/22)、8月都区部消費者物価指数(8/26)がある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米7月新築住宅販売、米2年国債入札(8/23)、米7月耐久財受注、米7月NAR仮契約住宅販売指数(8/24)、米4-6月期GDP改定値、米カンザスシティー連銀主催のジャクソンホール会合(~8/27)(8/25)、米7月個人所得・個人消費支出(8/26)などがある。
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