株式明日の戦略-大幅高で28500円台に到達、決算発表一巡で来週は強弱感が交錯か
12日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は727円高の28546円。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1607/値下がり192。アリババ株一部放出に伴い利益を計上する見込みとなったソフトバンクGが5%を超える上昇。楽天証券HDを設立し、上場の準備を進めると発表した楽天Gが8%近い上昇となった。東京エレクトロン、キーエンス、ファナック、ダイキン、SMCなど値がさ株の多くが大幅高。決算と併せて自己株取得を発表したホンダやNXHD、パーソルHDが買いを集めた。オイシックスやKeePer技研が決算を材料にストップ高まで買い進まれた。
一方、下方修正を発表した資生堂が軟調。リスクオンの地合いの中、NTTやSBなど通信株が逆行安となった。ガンホーやDeNAなど、減益決算を発表したゲーム株が大幅安。全面高の中でも決算が失望となった中小型株はたたき売られており、ライトアップやセーフィーは場中値付かずのストップ安比例配分となった。ほか、証券会社が目標株価を引き下げたTOYOTIREが厳しい下げとなった。
米国株は7月CPIを大きな波乱なく消化した。伸び率が鈍化したことを踏まえると、当面、米国の1%利上げを心配する必要はなくなった。9月が0.75%か0.5%ということで気を揉むことにはなるだろうが、ピーク感が台頭してくるのであれば、この先、米国の金融政策や長期金利を理由に米国株が崩れる場面が一段と減ってくるだろう。良い流れが持続するかという点に関しては、原油価格に注目しておきたい。7月CPIの発表を前に警戒がそこまで高まらなかった理由の一つとして、原油価格の上昇一服でガソリン価格が下落していたことが挙げられる。そのため、ここから原油価格が再び上昇基調を強めた場合には、インフレ懸念が再燃する可能性はある。原油価格の上昇要因としては、地政学リスクの高まりのほか、米国株の動きが良くなってリスクオンとなることで、投機マネーが商品市場に流れ込むといったシナリオも想定される。NY原油が1バレル=100ドル以下の水準でおとなしくしてくれるかどうかが目先の焦点となる。
【来週の見通し】
横ばいか。決算発表が一巡し、一気に材料難となる。お盆の時期でもあり、市場参加者の減少が見込まれる中、米国発の材料に一喜一憂となるだろう。17日には7月開催のFOMC議事録が公表予定だが、7月は2会合連続で0.75%の利上げが決定されており、議論の内容はタカ派色が強かったと推測される。また、ホームデポ、ウォルマート、ターゲットなど、米小売企業の決算が多く出てくる。5月にウォルマートやターゲットが決算を受けて急落し、全体市場も崩れたことは記憶に新しい。これらを材料に、株式市場の楽観ムードが修正される展開も想定しておく必要がある。一方で、日経平均が28000円近辺の攻防を上に抜け、28500円台に乗せてきた点は株高への期待を高める。7月米CPIを無難に消化できたことも、下振れへの警戒を和らげる。市場エネルギーの低下でクールダウンとなりそうな局面ではあるが、地合いの良さから下値も堅いと予想する。
【今週を振り返る】
堅調となった。注目の米7月CPIを確認する前に祝日に入るスケジュールであったため、水曜10日まではリスク回避ムードの強い地合いが続いた。日経平均は週明け8日はレーザーテックの大幅高に刺激されて上昇したが、9日は東京エレクトロンとソフトバンクGが決算を受けて急落したことで大幅安。10日には半導体株が軒並み安となり、28000円が遠のいた。しかし、米CPIがインフレのピークアウト期待を高め、米国株にもこれを好感した買いが入ったことから、祝日明けの12日は雰囲気が一変。売り方の買い戻しも巻き込んで700円を超える上昇となり、週末値で28500円台に乗せた。日経平均は週間では約371円の上昇。週足では4週連続で陽線を形成した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1607/値下がり192。アリババ株一部放出に伴い利益を計上する見込みとなったソフトバンクGが5%を超える上昇。楽天証券HDを設立し、上場の準備を進めると発表した楽天Gが8%近い上昇となった。東京エレクトロン、キーエンス、ファナック、ダイキン、SMCなど値がさ株の多くが大幅高。決算と併せて自己株取得を発表したホンダやNXHD、パーソルHDが買いを集めた。オイシックスやKeePer技研が決算を材料にストップ高まで買い進まれた。
一方、下方修正を発表した資生堂が軟調。リスクオンの地合いの中、NTTやSBなど通信株が逆行安となった。ガンホーやDeNAなど、減益決算を発表したゲーム株が大幅安。全面高の中でも決算が失望となった中小型株はたたき売られており、ライトアップやセーフィーは場中値付かずのストップ安比例配分となった。ほか、証券会社が目標株価を引き下げたTOYOTIREが厳しい下げとなった。
米国株は7月CPIを大きな波乱なく消化した。伸び率が鈍化したことを踏まえると、当面、米国の1%利上げを心配する必要はなくなった。9月が0.75%か0.5%ということで気を揉むことにはなるだろうが、ピーク感が台頭してくるのであれば、この先、米国の金融政策や長期金利を理由に米国株が崩れる場面が一段と減ってくるだろう。良い流れが持続するかという点に関しては、原油価格に注目しておきたい。7月CPIの発表を前に警戒がそこまで高まらなかった理由の一つとして、原油価格の上昇一服でガソリン価格が下落していたことが挙げられる。そのため、ここから原油価格が再び上昇基調を強めた場合には、インフレ懸念が再燃する可能性はある。原油価格の上昇要因としては、地政学リスクの高まりのほか、米国株の動きが良くなってリスクオンとなることで、投機マネーが商品市場に流れ込むといったシナリオも想定される。NY原油が1バレル=100ドル以下の水準でおとなしくしてくれるかどうかが目先の焦点となる。
【来週の見通し】
横ばいか。決算発表が一巡し、一気に材料難となる。お盆の時期でもあり、市場参加者の減少が見込まれる中、米国発の材料に一喜一憂となるだろう。17日には7月開催のFOMC議事録が公表予定だが、7月は2会合連続で0.75%の利上げが決定されており、議論の内容はタカ派色が強かったと推測される。また、ホームデポ、ウォルマート、ターゲットなど、米小売企業の決算が多く出てくる。5月にウォルマートやターゲットが決算を受けて急落し、全体市場も崩れたことは記憶に新しい。これらを材料に、株式市場の楽観ムードが修正される展開も想定しておく必要がある。一方で、日経平均が28000円近辺の攻防を上に抜け、28500円台に乗せてきた点は株高への期待を高める。7月米CPIを無難に消化できたことも、下振れへの警戒を和らげる。市場エネルギーの低下でクールダウンとなりそうな局面ではあるが、地合いの良さから下値も堅いと予想する。
【今週を振り返る】
堅調となった。注目の米7月CPIを確認する前に祝日に入るスケジュールであったため、水曜10日まではリスク回避ムードの強い地合いが続いた。日経平均は週明け8日はレーザーテックの大幅高に刺激されて上昇したが、9日は東京エレクトロンとソフトバンクGが決算を受けて急落したことで大幅安。10日には半導体株が軒並み安となり、28000円が遠のいた。しかし、米CPIがインフレのピークアウト期待を高め、米国株にもこれを好感した買いが入ったことから、祝日明けの12日は雰囲気が一変。売り方の買い戻しも巻き込んで700円を超える上昇となり、週末値で28500円台に乗せた。日経平均は週間では約371円の上昇。週足では4週連続で陽線を形成した。