NY為替見通し=ドル円、この相場で新規売りは入りにくい

 ドル円の上昇の勢いは止まらず、24年ぶりの141円台を回復すると時間外の米長期金利の上昇を支えに141円後半まで上値を切り上げた。

 9月に入って、米長期金利の上昇に伴いドル円は再び上昇の勢いを強めている。日米の金利差は拡大する一方だ。また、世界の多くの中銀が引き締めを加速させているなか、世界のリセッション懸念は根強いものの、足もとではリスクオフの円買いは強まっていない。むしろ、リスクオフ局面で円買いよりドル買いが見られており、この相場展開のなかでは新規の売りは入りにくい。目先にドル円はこれと言った注目のレジスタンスはなく、市場では「145円大台の攻防」という声が多くなりつつある。

 ドル高・円安が急ピッチで進んだことを意識した調整が入る可能性はあるものの、ドル円に買われすぎ懸念はそれ程強くない。ヘッジファンドなどの取引の目安とされる商品先物取引委員会(CFTC)の8月末の円ポジションは4万枚超の売り越しとなっており、一時10万枚超まで膨らんだ時期と比べると半分以下に縮小している。

 本日のNYタイムでは8月米ISM非製造業景況指数の結果に注目。市場では7月の56.7からの低下が予想されている。1日に発表された8月米ISM製造業景気指数は予想を上回り、前月と変わらずの52.8となった。米ISM非製造業景況指数が強い結果となれば、ドル円の上昇が加速する可能性はある。

・想定レンジ上限
 ドル円は節目の142.00円や1998年8月31日高値142.46円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は節目の141.00円や、本日これまでの安値140.25円が下値めど。

(金)
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