ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、反発

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は142.84円と前営業日NY終値(142.47円)と比べて37銭程度のドル高水準だった。アジア時間に一時143.50円まで上昇した反動で海外市場に入ると円買い・ドル売りが先行した。米10年債利回りが一時3.26%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時142.16円付近まで下押しした。明日の8月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に、市場では「米インフレのピークアウト観測が高まっており、株高とドル安が進んでいる」との声が聞かれた。
 なお、米ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は5.7%と前回の6.2%から急低下。3年後のインフレ期待も2.8%と前回の3.2%から低下した。
 ただ、NY午後に入るとじりじりと下値を切り上げる展開に。米10年債入札が「低調」と受け止められると、米10年債利回りが一時3.3751%前後と約3カ月ぶりの高水準を記録。円売り・ドル買いがじわりと強まり、142.85円付近まで持ち直した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0122ドルと前営業日NY終値(1.0042ドル)と比べて0.0080ドル程度のユーロ高水準だった。欧州序盤に一時1.0198ドルと8月17日以来の高値を付けたものの、NY市場ではじり安の展開に。欧州連合(EU)のエネルギー計画草案で電力需要の義務的削減が盛り込まれることが伝わると、域内景気の先行き懸念が高まりユーロの上値を抑えた。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出た。
 ただ、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げを継続するとの観測からユーロ買い・ドル売りも入りやすく、下押しも限定的だった。

 ユーロ円は反発。終値は144.59円と前営業日NY終値(143.15円)と比べて1円44銭程度のユーロ高水準。大幅利上げを継続するとの観測が強まるECBと、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが強まり、欧州序盤には一時145.64円と2014年12月以来の高値を付けた。
 ただ、NY市場では上値の重さが目立った。ユーロドルの伸び悩みなどが相場の重しとなり、1時前には144.14円付近まで下押しした。

本日の参考レンジ
ドル円:142.05円 - 143.50円
ユーロドル:1.0045ドル - 1.0198ドル
ユーロ円:143.39円 - 145.64円

(中村)
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