ロンドン為替見通し=独指標を確認し米CPI待ち、ドルインデックスにも注目

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、幾つかの経済指標を確認しながら、結局は米国の8月消費者物価指数(CPI)待ちということになるか。

 序盤には改定値ではあるものの、8月独消費者物価指数(CPI)が発表される。速報値7.9%は5月に並ぶ約50年ぶりの高い水準だった。天然ガス価格が高騰していた時期でもあり、上振れ改定への警戒感は残っていそうだ。独連銀は年末にかけて更なるインフレ加速を見込んでおり、8%台乗せでもビッグサプライズでは確かにない。しかしながら、足もとの物価高の深刻さが更に浮き彫りになるようだと、ナーゲル独連銀総裁のタカ派度合いが増すことになり、金融政策について先走る発言がでるかもしれない。

 ドイツからは9月独ZEW景況感指数も発表予定。市場予想は▲60.0と今年最大のマイナス幅が見込まれ、スタグフレーションへの懸念を高めることになるか。もっとも本日の弱い数値について市場はある程度織り込んでいると思われ、予想に沿った結果であれば材料出尽くし感と受けとめられる可能性もある。
 ※▲はマイナス

 ところで先月後半に急騰したオランダTTFガス先物(欧州天然ガス価格の指標)だが、このところは売り戻しが優勢だ。欧州当局によるエネルギー使用制限などが重しとなっているようだが、昨日の期近10月限も下落し、先月の高値からの下げ幅は約45%まで拡大した。まだ3カ月前からは2倍以上も高いものの、このまま天然ガス先物の戻りが鈍いようだと欧州景気減速への過度な懸念も和らぎ、ユーロの底堅さに繋がることになりそうだ。

 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスにも目を向けておきたい。7日に2002年以来の高値圏となる110.70台まで上昇したものの、その後は上値を切り下げる動きが続いている。昨日の欧州前半には8月下旬以来の107後半まで低下した。ただ一巡後は108を回復しての推移。本日の8月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、次の方向性が決まるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドルは8月17日高値1.0203ドル、ドルインデックスは昨日高値108.86。

想定レンジ下限
・ユーロドルは週明け上昇後の下押し水準1.0060ドル付近、ドルインデックスは8月26日安値107.59。


(小針)
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