ニューヨーク外国為替市場概況・13日 ドル円、大幅続伸

 13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に続伸。終値は144.58円と前営業日NY終値(142.84円)と比べて1円74銭程度のドル高水準だった。注目の8月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に思惑的なドル売りが先行すると、一時141.66円と日通し安値を付けたものの、米CPIの結果が伝わると一転上昇した。
 米労働省が発表した8月米CPIは前年比8.3%上昇と予想の8.1%上昇を上回り、エネルギーと食品を除くコア指数も前年比6.3%上昇と予想の6.1%上昇より強い内容だったことが明らかに。米金利の上昇とともにドル全面高の展開となり、22時過ぎに一時144.68円まで急伸した。
 買い一巡後は伸び悩む場面もあった。7日の高値144.99円がレジスタンスとして意識されたほか、145.00円に観測されているバリアオプションに絡んだ防戦売りなどに上値を抑えられた。ただ、下押しは143.80円付近にとどまり、引けにかけては144.59円付近まで持ち直している。
 なお、市場では米連邦準備理事会(FRB)が20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍にあたる0.75%利上げを実施する可能性を完全に織り込み、1.00%の利上げ予想も浮上。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、1.00%の利上げ確率が38%近辺まで上昇した。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は0.9970ドルと前営業日NY終値(1.0122ドル)と比べて0.0152ドル程度のユーロ安水準だった。8月米CPIの発表を前に思惑的なドル売りが先行すると一時1.0187ドルと日通し高値を付けたものの、米CPIが上振れしたことが伝わると米金利の上昇とともにドル買いが膨らんだ。取引終了間際には一時0.9967ドルと日通し安値を付けた。市場では「再び台頭していた米インフレのピークアウト観測が完全に打ち砕かれた」との声が聞かれた。

 オセアニア通貨は軟調だった。ダウ平均が一時1360ドル超下落し今年最大の下げ幅を記録すると、リスクに敏感なオセアニア通貨に売りが集まった。豪ドル米ドルは0.6727米ドル、NZドル米ドルは0.5987米ドルまで売られたほか、豪ドル円は97.20円、NZドル円は86.43円まで値を下げた。

 ユーロ円は反落。終値は144.18円と前営業日NY終値(144.59円)と比べて41銭程度のユーロ安水準。ドル円の上昇につれた買いとユーロドルの下落につれた売りが交錯し、しばらくは方向感が出なかったが、終盤売られた。米国株の急落が相場の重しとなり、一時144.03円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:141.66円 - 144.68円
ユーロドル:0.9967ドル - 1.0187ドル
ユーロ円:144.03円 - 145.13円

(中村)
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