ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ドル円、3日ぶり反落

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は143.08円と前営業日NY終値(144.58円)と比べて1円50銭程度のドル安水準だった。東京時間に日銀が銀行の為替ディーラーなどに相場水準を尋ねる「レートチェック」を実施したと伝わると、政府・日銀が円安を食い止めるために円買い・ドル売り介入を行うのではないかとの警戒感が強まった。NY市場に入っても、為替介入への警戒感から円を買い戻す動きが継続し、一時142.55円と日通し安値を更新した。市場では「さらに円安が進んだ場合に政府・日銀がどのような対応をとるのか注目が集まっている」との声が聞かれた。
 ただ、一目均衡表転換線が位置する142.43円がサポートとして意識されると143.22円付近まで下げ渋った。前日の8月米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まりドル買いが入りやすい面もあった。
 なお、この日発表の8月米卸売物価指数(PPI)は食品とエネルギーを除くコア指数が市場予想を上回ったが、相場の反応は限られた。

 ユーロ円は続落。終値は142.70円と前営業日NY終値(144.18円)と比べて1円48銭程度のユーロ安水準。日銀が「レートチェック」を実施したと伝わったほか、本邦通貨当局者から円安けん制発言が相次ぐと、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まり円全面高の展開となった。23時30分過ぎに一時142.30円と本日安値を付けた。
 ただ、売り一巡後はドル円の下げ渋りにつれた買いが入り143.07円付近まで下げ幅を縮めた。

 ユーロドルは小反発。終値は0.9981ドルと前営業日NY終値(0.9970ドル)と比べて0.0011ドル程度のユーロ高水準だった。NY市場に限れば1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を挟んだ狭いレンジでの取引に終始した。FRBの積極的な金融引き締めが継続するとの観測からドル買いが入った半面、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げを続けるとの思惑からユーロ買いが入ったため相場は方向感が出なかった。

 ポンドドルは24時過ぎに一時1.1590ドルと日通し高値を付けた。ユーロポンドも一時0.8626ポンドまでユーロ安・ポンド高に振れた。欧州時間発表の8月英CPIは予想を下回ったものの、英中銀(BOE)による大幅な利上げ継続を意識したポンド買いが入りやすかった。

本日の参考レンジ
ドル円:142.55円 - 144.96円
ユーロドル:0.9956ドル - 1.0023ドル
ユーロ円:142.30円 - 144.48円

(中村)
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