ロンドン為替見通し=9月欧独仏英のPMI速報値のネガティブサプライズに要警戒か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、9月の欧独仏の製造業・サービス業PMI速報値を見極め、ポンドドルも9月の英国の製造業・サービス業PMI速報値を見極める展開となる。

 9月の欧独仏英のPMIは、エネルギーの供給不足や物価上昇などから悪化が見込まれているが、予想を下回るネガティブサプライズに要警戒か。

 また、本日23日から27日にかけて、親ロシア派武装勢力「ルガンスク人民共和国」と「ドネツク人民共和国」、ロシア軍が占領する南部ヘルソン州とザポリージャ州は、ロシア編入を問う住民投票が予定されている。
 プーチン露大統領の狙いは、住民投票により占領地をロシアに併合し、ロシア領土を防衛するために核兵器を使用する権利を得て、ウクライナが退くか、さもなければ核戦争だ、という最後通牒を突き付けることにあるらしく、ウクライナ情勢の緊迫化がユーロの上値を抑える要因となる。

 さらに、週末25日に行われるイタリアの総選挙では、野党の極右、「イタリアの同胞(FDI)」を軸に右派勢力の勝利が予想されている。「イタリアの同胞」のジョルジア・メローニ党首は、かつて欧州連合(EU)に否定的であり、ロシアのプーチン政権とのつながりも指摘されており、ウクライナを巡るEUの対ロシア結束が揺らぎかねない。また、財政拡張路線を打ち出していることで、財政規律を求めるEUとの対立は不可避となることで、ユーロ売り要因となる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:0.9998ドル(一目・転換線)
・ユーロ円:141.92円(一目・転換線)
・ポンドドル:1.1385ドル(9月21日の高値)
・ポンド円:162.39円(一目・雲の下限)

想定レンジ下限
・ユーロドル:0.9729ドル(2002年10月28日の安値)
・ユーロ円:139.56円(9月6日安値)
・ポンドドル:1.1074ドル(9/7-13の上昇幅の下方倍返し)
・ポンド円:159.13円(9月22日の安値)


(山下)
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