ロンドン為替見通し=ロシア産天然ガス供給削減と独仏消費者信頼感指数に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、本日から削減が開始されるロシア産天然ガス供給削減による欧州の天然ガス価格動向と独仏の消費者信頼感指数に注目する展開が予想される。

 露国営ガスプロムは「ノルドストリーム1」のタービンを停止し、ガス供給量を減少させると発表し、モスクワ時間の27日午前7時から、1日あたりの供給量を現行の半分にあたる3300万立方メートルにまで減らす、と通告した。
 欧州連合(EU)加盟国は、ロシアからの天然ガスの供給が止まった場合に備えて、ガスの使用量を来月から来年3月まで自主的に15%削減することで合意した。
 EUは、21日に、ウクライナに侵攻しているロシアへの経済制裁第7弾を発動しており、今回の天然ガス供給削減は、ロシアによる報復措置となる。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアがガスの供給を制限することで欧州に対するガス戦争を仕掛けていると非難し、EUに対ロシア制裁第8弾を大幅に強化するように促している。

 ロシアによる天然ガス供給の削減により、欧州はエネルギー危機に陥る可能性が高まることで、スタグフレーション、リセッション(景気後退)への警戒感から、ユーロ売り要因となる。
 ヘッジファンドEDL創業者のエドゥアール・ドラングラード氏は顧客向け書簡で、「欧州は大惨事の瀬戸際にあり、分裂に至る恐れもある。ユーロ全面安に移行する可能性がある」とし、ユーロドルの目標を0.8ドルとした。

 8月独消費者信頼感指数(Gfk調査)の予想は▲28.9、7月仏消費者信頼感指数の予想は80となっているが、ネガティブサプライズに要警戒となる。

想定レンジ上限
・ユーロドルの上値目処(めど)は、7月26日の高値の1.0250ドル、ユーロ円は一目・転換線の140.23円。

想定レンジ下限
・ユーロドルの下値目処(めど)は、7月12日の安値の1.0000ドル、ユーロ円は7月12日の安値の137.03円。

(山下)
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