東京為替見通し=期末フローで上下か、ドル円は144円台中心の値動き続く

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は144円台で上下した。ポンドやユーロに対してドル安が進んだ影響を受けて144.30円割れまで下落する場面があった。ユーロドルは0.98ドル前半まで上昇、ポンドドルが1.11ドル台まで堅調に推移した。四半期末に絡んだフローが断続的に持ち込まれたもよう。ユーロ円も141.80円台まで大きく値を上げた。

 本日の東京外国為替市場では、期末に絡んだ実需フローに振らされる展開が続くか。ただ、ドル円については昨日同様に144円台を中心とした値動きが続きそうだ。日米金利差の拡大が下値を支え、政府・日銀による追加の為替介入への警戒感が上値を抑えるという状況に変わりはなさそうだ。

 市場が最も注目しているのは、日本時間19時に財務相が発表する「外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)」だろう。22日に通貨当局が為替市場で実施した24年ぶりの円買いドル売り介入の規模が明らかとなる。既に市場では、円買い介入として最大規模となる3兆円から3.6兆円との推計がでているが、介入余力を確認するうえでも正確な金額を掴むことは重要。

 日本の外貨準備高は1兆2920億ドルだが、すぐに介入資金として使うことができるのは、海外の中銀や国際決済銀行(BIS)などへの預金1361億ドルとされている。推計通りであれば、ここから同程度の介入は約6回程度と限られている。

 なお、英中銀による長期債の無制限購入の効果は英債券市場では薄まったものの、ポンドを買い戻す動きは強まっている。流動性の薄さがショートポジションのあぶり出しにつながったのか、オセアニア市場でも既に昨日高値を超えて上げ足を速めた。もっとも、トラス英政権が打ち出した積極過ぎる財政政策への懸念は根強い。

 本日は中国の9月製造業PMIが発表予定。統計局発表の製造業PMIは3カ月連続で景気判断の分岐点とされる50を下回る見込み。

 そのほか、東京午後/欧州序盤には、プーチン露大統領がウクライナ東・南部4州の「併合」について演説する。住民投票での賛成多数を理由に一方的なロシア併合を正当化するとされ、今後はウクライナを巡る地政学リスクが更に高まることが警戒される。

(小針)
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