株式明日の戦略-意外高で26週線を突破、TOPIXは25日線上を回復

 6日の日経平均は4日続伸。終値は190円高の27311円。5日の米国株は下落したものの、大幅安スタートから大きく戻しており、引け味は良かった。これを受けた寄り付きは小幅高。売りが先行しなかったことで下値不安が後退し、すぐに上げ幅を3桁に広げた。レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体株の動きが良かった上に、値上がり銘柄が多かったことも楽観ムードを高め、早いうちに27300円台まで上昇。これより上は重かった一方で、戻り売りも出てこなかったことから、後場に入るとこう着感が強まった。終盤にやや失速しており、大引けが後場の安値となった。ただ、それでも27300円台は維持し、200円近い上昇で終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7100億円。業種別では鉱業、電気機器、海運などが上昇した一方、電気・ガス、食料品、小売などが下落した。自己株取得を発表したJPホールディングス<2749.T>が後場急騰。反面、1Qが営業赤字となった三協立山<5932.T>が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1338/値下がり414。レーザーテックが5.5%高、アドバンテストが2.9%高、東京エレクトロンが2.8%高と、半導体株が軒並み大幅高。ソフトバンクG、メルカリ、ダブルスコープなど投資家人気の高い銘柄にも強い動きが見られた。傘下の証券会社にみずほFGが出資するとの観測が報じられた楽天Gが4%を超える上昇。業績関連のリリースを材料に薬王堂HDや三陽商会が急伸した。

 一方、トヨタやSUBARUなど自動車株が軟調。総じてリスクオンの地合いの中でディフェンシブセクターが弱く、東電HDや東北電など電力株が軒並み安となった。決算を発表したイオンが大幅安となり、本日引け後に決算発表を控えたセブン&アイが警戒売りに押された。1Q営業減益のウェザーニューズが9%を超える下落。ANYCOLORが7.3%安と、ここ最近では大きめの下げとなった。

 本日グロースに新規上場したFIXERは、高い初値をつけた後にストップ高まで買われる場面もあり、終値も初値を大きく上回った。

 米国株は下落したが、日経平均は一度も下げに転じることなく4日続伸した。米国株が強めの雇用指標を冷静に消化したことが安心材料になったものと思われる。あすは米雇用統計の発表日で東京市場は三連休前。日本株はきょう崩れてしまうとあすに影響が出そうであったが、意外なほど強かった。足元の状況からは、雇用統計だけで米国株が再び年初来安値を更新するまでの下落となる可能性は低そう。結果次第では逆に一段高となる展開も期待できる。市場の空白に対する警戒はそれほど高まらず、売り急ぎは抑制されるだろう。きょうの日経平均の終値は27311円。節目の一つである26週線(27274円、5日時点)を上回った。週足なのであすの時点で上回っているかが重要だが、下げても不思議はなかった日に超えてきたことは特筆される。TOPIXは26週線だけでなく、25日線も上に抜けてきた。日経平均も上に控えた25日線(27364円)を突破して、引け味良く週を終える展開に期待したい。
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