ニューヨーク外国為替市場概況・6日 ドル円、続伸

 6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は145.14円と前営業日NY終値(144.64円)と比べて50銭程度のドル高水準だった。明日7日の9月米雇用統計に注目が集まる中、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが伝わると円買い・ドル売りが先行し、一時144.58円付近まで値を下げた。
 ただ、下押しは限定的だった。欧州株や米国株の下落を背景にリスク・オフのドル買いが進んだ流れに沿って徐々に強含んだ。米10年債利回りが3.84%台まで上昇したこともドル買いを促し、前日の高値144.85円や4日の高値144.93円を上抜けて一時145.14円まで上値を伸ばした。
 なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁はこの日、「インフレに関してまだやるべきことがある」「積極的な利上げを一時停止するのはかなり先」などと述べ、足もとで俄かに高まっている米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換期待をけん制した。

 ユーロドルは続落。終値は0.9791ドルと前営業日NY終値(0.9884ドル)と比べて0.0093ドル程度のユーロ安水準だった。9月8日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨では「高インフレが定着するとの懸念が高まる中、経済成長鈍化を代償にしても積極的に金融政策を引き締める必要がある」との見解が示された。ECBの大幅利上げ継続がユーロ圏の景気悪化につながるとの懸念から、ユーロ売りが進んだ。欧米株価の下落を背景に、リスク・オフのドル買いも優勢となり、1時30分前に0.9788ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円も続落。終値は142.10円と前営業日NY終値(142.89円)と比べて79銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出たほか、欧米株価の下落に伴う円買い・ユーロ売りが入り一時141.96円と本日安値を付けた。

 ポンドドルは軟調だった。英中銀(BOE)が国債の買い入れを減らし、債券需給が緩むことへの警戒感が浮上すると、英長期金利が再び上昇傾向を強め、欧州株相場が下落。リスク・オフのドル買いが優勢となり、一時1.1114ドルと日通し安値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:144.39円 - 145.14円
ユーロドル:0.9788ドル - 0.9927ドル
ユーロ円:141.96円 - 143.46円

(中村)
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