欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・金利上昇・ドル底堅い

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.68円(10日15時時点比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=141.51円(△0.22円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9713ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:6959.31(前営業日比▲31.78)
ドイツ株式指数(DAX):12272.94(▲0.06)
10年物英国債利回り:4.472%(△0.234%)
10年物独国債利回り:2.342%(△0.148%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ポンドドルは頭が重かった。英中銀(BOE)はこの日、国債市場安定化策の長期国債買い入れ措置が今週末に終了するのを前に、買い入れ上限を倍増するなど、市場が再び混乱することを防ぐための措置を発表した。この発表を受けて当初はポンド買いで反応し一時1.11ドル台前半まで持ち直したものの、すぐに失速した。
 BOEは国債買い入れについては「14日に終了し、すべての国債購入を停止する予定」と改めて強調。英国債相場が大幅に下落(金利は上昇)したことで、ポンドにも売りが出た。2時過ぎには一時1.1020ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロドルは下落。ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念される中、経済的にも地理的にも影響を受けやすい欧州通貨に売りが先行。17時30分過ぎに一時0.9682ドルと日通し安値を付けた。
 NYの取引時間帯に入ると、「ドイツはエネルギー危機対応でEU共同債を支持する」との報道が伝わり、独長期金利の上昇とともにユーロ買いが優勢に。23時30分過ぎに一時0.9745ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9753ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。
 なお、独政府関係者はこの報道を否定した。

・ドル円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時145.24円付近まで下押ししたものの、週明け早朝取引で付けた日通し安値145.17円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。NY市場に入り、欧州通貨やオセアニア通貨を中心にドル買いが活発化すると、円に対してもドル買いが先行。アジア時間の高値145.67円を上抜けて一時145.80円まで上値を伸ばした。
 ただ、9月22日に付けた年初来高値145.90円がレジスタンスとして意識されると若干伸び悩んだ。政府・日銀による円買い介入への警戒感もある。

・ユーロ円は売買が交錯。ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念される中、日本時間夕刻に一時140.90円と日通し安値を付けたものの、「独はEU共同債を支持」との報道をきっかけに全般ユーロ買いが強まると一時141.81円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとは141.19円付近まで押し戻された。

・ロンドン株式相場は4日続落。ウクライナ情勢激化への懸念からリスク回避の売りが優勢となった。アストラゼネカなど医薬品株に売りが出たほか、セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株が値を下げた。半面、リオ・ティントなど前週末に下げていた資源株に買いが入ると下げ幅を縮めた。

・フランクフルト株式相場はほぼ横ばい。ウクライナ情勢激化への懸念から売りが先行したものの、短期的な戻りを期待した買いが入ると上げに転じた。ただ、米国株が下落した影響で引けにかけては値を消した。個別ではフォルクスワーゲン(4.47%安)やキアゲン(4.30%安)などの下げが目立った半面、コベストロ(8.23%高)やBASF(6.13%高)などの上げが目立った。

・欧州債券相場は下落。「ドイツがエネルギー危機に対応するため、EUによる共同債発行を支持する」との報道を受けた。

(中村)
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