株式明日の戦略-三連休明けは大幅安、底打ち期待が大きく後退

 三連休明け11日の日経平均は大幅続落。終値は714円安の26401円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり211/値下がり1594。きょうから水際対策が緩和され、旅行支援も始まったことから、JAL、ANA、JR東日本などレジャー関連が年初来高値を更新。ラオックスやハナツアーなど、インバウンド需要拡大期待が高まる局面で物色されやすい銘柄が人気化した。高島屋が上方修正を発表しており、同業のH2Oリテイルや松屋にも買いが波及。これらがそろって年初来高値を更新した。NTT、住友不動産、清水建設など内需の一角が逆行高。JFEHDや日本製鉄など鉄鋼株にしっかりとした動きが見られた。

 一方、半導体株、ハイテク株、値がさ株などの弱さが目立った1日。SMCが6%台、東京エレクロトン、HOYAが5%台、ソニーG、キーエンスが4%台の下落率となった。一部メディアが自社株買いについての疑惑を報じた日本電産は、会社側からその事実を否定するコメントが出てきたにもかかわらず、9%を超える下落となった。小売大手が弱く、ファーストリテイリングやセブン&アイが大幅安。通期の純利益見通しを引き下げたわらべや日洋や、3Qが市場の期待に届かなかった大阪有機化学が急落した。

 日経平均は大幅安。雇用統計次第では米国株が大きく下げるかもしれないというのは予想できたことだが、かなり下に値幅が出た。先週、ようやく安値圏を脱出したように見えた東京エレクトロンやソニーGが、印象の悪い大幅下落。これらが下げ止まっていないのであれば、日経平均もまだ下落基調が続くとの警戒が高まる。今週は雇用統計以上に警戒材料である米9月CPIが13日に発表されるため、それを確認するまでは腰の入った買いは入らないだろう。日足チャートでは先週の戻りが25日線(27275円、11日時点)に阻まれた格好となっており、10月3日につけた直近安値25621円を割り込まずに推移できるかが目先の焦点となる。悲観に傾いた反動であすは反転に期待したいが、そうならず売られた場合には、心理的節目の26000円までで下げ止まるかに注目したい。
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