ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ドル円、5日続伸

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら5日続伸。終値は145.86円と前営業日NY終値(145.72円)と比べて14銭程度のドル高水準だった。米ニューヨーク連銀が発表した9月の消費者期待調査で、1年先のインフレ期待が5.4%と前回の5.7%から低下し、1年ぶりの低水準を記録すると、米10年債利回りが3.86%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、2時前に一時145.43円と日通し安値を付けた。安く始まった米国株が持ち直したこともリスク・オフの巻き戻しによるドル売りを誘った。
 ただ、ベイリー英中銀(BOE)総裁の発言をきっかけに米国株が失速し、米10年債利回りが上昇に転じると一転ドル買いが優勢に。4時過ぎには一時145.90円と9月22日に付けた24年ぶりの高値に面合わせした。

 ポンドドルは行って来いの展開。BOEはこの日、緊急措置として導入した一時的な超長期の国債買い入れに加えて、物価連動国債も買い入れ対象に加えると発表。英国債相場の下落(金利は上昇)が一服したことを手掛かりに全般ポンドを買い戻す動きが広がった。2時前には一時1.1180ドルまで値を上げた。
 ただ、ベイリーBOE総裁が「市場への介入は一時的なもの、週末までに我々は手を引く」「(年金基金に対し)残されているのはあと3日」と述べ、国債購入は予定通り14日に終了するとの見通しを改めて表明すると、失望売りが膨らんだ。5時過ぎには1.0953ドルまで値を下げた。年金基金からは少なくとも今月末までの延長が求められていた。

 ユーロドルは5営業日ぶりに小反発。終値は0.9708ドルと前営業日NY終値(0.9702ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準だった。NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が1年ぶりの低水準を付けたことが分かると、米長期金利の低下にとともにドル売りが先行。前日の高値0.9753ドルを上抜けて一時0.9775ドルまで上値を伸ばした。
 ただ、ポンドドルの急落をきっかけに全般ドル買いが優勢になると0.9694ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円も5日ぶりに小反発。終値は141.62円と前営業日NY終値(141.39円)と比べて23銭程度のユーロ高水準。一時は120ドル超下落したダウ平均が持ち直し、400ドル超上昇すると円売り・ユーロ買いが優勢に。前日の高値141.81円を上抜けて142.20円まで値を上げた。ただ、ベイリーBOE総裁の発言をきっかけにリスク・オフの動きが強まると141.44円まで上値を切り下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:145.43円 - 145.90円
ユーロドル:0.9672ドル - 0.9775ドル
ユーロ円:141.00円 - 142.20円

(中村)
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