ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、4日続伸

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続伸。終値は145.72円と前営業日NY終値(145.25円)と比べて47銭程度のドル高水準だった。前週末の9月米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方から、この日もドル買いが続いた。ウクライナ情勢激化への懸念からリスク・オフのドル買いも優勢となり、一時145.80円まで値を上げた。
 ただ、9月22日に付けた年初来高値145.90円がレジスタンスとして意識されると伸び悩む場面もあった。政府・日銀による円買い介入への警戒感もある。
 なお、ブレイナードFRB副議長は講演で「インフレが時間とともに目標に戻ることを確実にするため、金融政策はしばらくの間制限的になるだろう」「不透明性は依然高く、見通しの変化や世界的なリスク双方を注視している」などと述べた。

 ユーロドルは4日続落。終値は0.9702ドルと前営業日NY終値(0.9744ドル)と比べて0.0042ドル程度のユーロ安水準だった。「ドイツはエネルギー危機対応でEU共同債を支持する」との一部報道が伝わると、独長期金利の上昇とともにユーロ買いが先行。23時30分過ぎに一時0.9745ドル付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9753ドルが目先レジスタンスとして意識されると0.9685ドル付近まで押し戻された。なお、独政府関係者はこの報道を否定している。

 ポンドドルは頭が重かった。英中銀(BOE)はこの日、国債市場安定化策の長期国債買い入れ措置が今週末に終了するのを前に、買い入れ上限を倍増するなど、市場が再び混乱することを防ぐための措置を発表した。ただ、国債購入は予定通り14日に終了する予定であることを改めて強調。英国債市場が再び不安定化することを警戒したポンド売りが優勢となった。2時過ぎには一時1.1020ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は小幅ながら4日続落。終値は141.39円と前営業日NY終値(141.59円)と比べて20銭程度のユーロ安水準。「独はEUによる共同債発行を支持する」との一部報道をきっかけに全般ユーロ買いが強まると141.81円と日通し高値を付けたものの、この報道が否定されたこともあり上値は重かった。

本日の参考レンジ
ドル円:145.17円 - 145.80円
ユーロドル:0.9682ドル - 0.9753ドル
ユーロ円:140.90円 - 141.81円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。