東京為替見通し=ドル円は米9月CPIへの警戒感から底堅い展開、円買い介入には要警戒
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、黒田日銀総裁が金融緩和の継続を改めて表明したこと、9月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、146.97円まで上昇した。ユーロドルは0.9668ドルまで軟調推移。ユーロ円はドル円の上昇につれた買いで142.63円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米9月消費者物価指数(CPI)への警戒感から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入第2弾への可能性には要警戒となる。
米9月CPIは、前年比+8.1%と予想されており、8月の前年比+8.3%からの上昇率の鈍化が見込まれている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月のFOMCでの0.75%の利上げ確率は84.8%となっており、米9月CPIがネガティブサプライズとならない限り、0.75%利上げの可能性は高いままだと予想される。
ドル円は、9月22日に、黒田日銀総裁の政策金利(▲0.10%)を当分の間据え置くと発言を受けて145.90円まで上昇し、昨日も黒田日銀総裁の「2%の物価目標を持続的、安定的に達成するまで金融緩和を継続する必要がある」との発言を受けて、146.97円まで上昇している。
米国サイドでは、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向けて金融政策の正常化を推進しており、9月のドット・プロット(金利予測分布図)での年末のFF金利の予想中央値は4.4%となっている。そして、イエレン米財務長官は「ドルの強さは様々な政策の論理的な結果。ドルの価値が市場で決定されることは米国の利益。ドルの水準は政策を反映しており適切」と述べて、ドル高を容認している。
日本サイドでは、日本銀行は、世界で唯一のマイナス金利を継続しており、イールドカーブコントロール(YCC)により、日本国債を購入して、円の流動性を増やしている。一方、財務省は、9月22日に円安を抑制するために、ドル売り・円買い介入を断行し、米国債を売却して、円の流動性を減らしたものの、円安を抑制出来ていない。
本日の東京市場では、鈴木財務相と神田財務官がワシントンでのG-20財務相・中央銀行総裁会議に参加していることで、司令塔が不在ではあるものの、ドル売り・円買い介入第2弾の可能性には要警戒となる。
ドル円は、1998年8月11日の高値147.66円を目指す展開となっており、ドル売り・円買い介入第2弾がどこで行われるのかを見極めていくことになる。1998年のドル円は、4月の本邦通貨当局による過去最大規模(当時)のドル売り・円買い介入、6月の日米協調介入にも関わらず、8月11日の147.66円まで上昇していった。そして、ロシアのデフォルト(債務不履行)やロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の投資失敗を受けて、翌年の101円台まで反落していった。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米9月消費者物価指数(CPI)への警戒感から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入第2弾への可能性には要警戒となる。
米9月CPIは、前年比+8.1%と予想されており、8月の前年比+8.3%からの上昇率の鈍化が見込まれている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月のFOMCでの0.75%の利上げ確率は84.8%となっており、米9月CPIがネガティブサプライズとならない限り、0.75%利上げの可能性は高いままだと予想される。
ドル円は、9月22日に、黒田日銀総裁の政策金利(▲0.10%)を当分の間据え置くと発言を受けて145.90円まで上昇し、昨日も黒田日銀総裁の「2%の物価目標を持続的、安定的に達成するまで金融緩和を継続する必要がある」との発言を受けて、146.97円まで上昇している。
米国サイドでは、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制に向けて金融政策の正常化を推進しており、9月のドット・プロット(金利予測分布図)での年末のFF金利の予想中央値は4.4%となっている。そして、イエレン米財務長官は「ドルの強さは様々な政策の論理的な結果。ドルの価値が市場で決定されることは米国の利益。ドルの水準は政策を反映しており適切」と述べて、ドル高を容認している。
日本サイドでは、日本銀行は、世界で唯一のマイナス金利を継続しており、イールドカーブコントロール(YCC)により、日本国債を購入して、円の流動性を増やしている。一方、財務省は、9月22日に円安を抑制するために、ドル売り・円買い介入を断行し、米国債を売却して、円の流動性を減らしたものの、円安を抑制出来ていない。
本日の東京市場では、鈴木財務相と神田財務官がワシントンでのG-20財務相・中央銀行総裁会議に参加していることで、司令塔が不在ではあるものの、ドル売り・円買い介入第2弾の可能性には要警戒となる。
ドル円は、1998年8月11日の高値147.66円を目指す展開となっており、ドル売り・円買い介入第2弾がどこで行われるのかを見極めていくことになる。1998年のドル円は、4月の本邦通貨当局による過去最大規模(当時)のドル売り・円買い介入、6月の日米協調介入にも関わらず、8月11日の147.66円まで上昇していった。そして、ロシアのデフォルト(債務不履行)やロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の投資失敗を受けて、翌年の101円台まで反落していった。
(山下)