NY為替見通し=ドル円は方向感鈍い、明日の米雇用統計はきっかけとなれるか

 ドル円は144円半ばを中心に144円台で小幅の上下にとどまっている。9月22日に日本の財務省が介入を実施した後のドル円はおおむね143円台で押し目買いに支えられている一方で、145円台では日本の追加介入への警戒感が上値を抑える相場展開が続いている。

 ドル円は「押し目買い」に支えられる一方で、「介入警戒感」が上値を圧迫し、短期的には神経質ながらも方向感が出にくい。本日のNYタイムでは新規失業保険申請件数の発表や複数のFRBメンバーの発言が予定されているが、大きな動意につながる可能性は低い。インパクトの強いイベントがなく、明日に米雇用統計を控えていることもあり、NYタイムでも144円台で方向感に欠ける動きが続きそうだ。明日の米9月雇用統計の結果がFRBの政策見通し転換の思惑につながるか、もしくは本邦の追加介入のタイミングを探る一つのきっかけとなるかに注目したい。

 日銀による緩和政策の継続が今後当面続くと見込まれ、貿易取引における円買い需要が伸び悩んでいることや、コロナ感染の影響による国内経済の立て直しには時間を要す一方、外国人の入国制限緩和によるインバウンド消費への期待は容易な景気対策の一つとなることから、原油価格などの下落により貿易赤字の改善による円安抑制への期待は限られる。ドル円の先高感が根強いなか、あと数回介入余力はあるとみられる本邦の追加介入のタイミングが注目される。

・想定レンジ上限
 ドル円は3日の高値145.30円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は昨日の安値143.53円が下値めど。

(金)
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