ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ドル円、32年ぶり高値更新

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は8日続伸。終値は148.67円と前営業日NY終値(147.12円)と比べて1円55銭程度のドル高水準だった。前日の9月米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、円売り・ドル買いが先行。米ミシガン大学が発表した10月消費者態度指数(速報値)が59.8と予想の59.0を上回ったほか、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わると、全般ドル買いが活発化。節目の148.00円を上抜けて一時148.86円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。
 NY午後に入ると、若干伸び悩む場面もあった。市場では「円安の加速を受けて、政府・日銀が再び円買い介入に踏み切るとの警戒感が高まっている」との声が聞かれ、148.56円付近まで下押しした。日銀がこの日公表した当座預金残高が1兆円下振れたことで、「日銀が13日に円買い介入を実施したのではないか」との観測も浮上している。
 なお、鈴木俊一財務相は国際通貨金融委員会(IMFC)後に「日本は為替市場の高いボラティリティを極めて憂慮している」「為替動向が及ぼす影響は国際社会としても注視すべき」との声明を発表した。

 ユーロドルは反落。終値は0.9722ドルと前営業日NY終値(0.9776ドル)と比べて0.0054ドル程度のユーロ安水準だった。プーチン露大統領が「ウクライナに対する大規模な攻撃は今のところ計画していない」「ウクライナ侵攻のための国民の動員がほぼ完了しつつある」と発言すると、ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退しユーロを買い戻し動きが先行。22時過ぎに一時0.9800ドル付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9808ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。ミシガン期待インフレ率の上振れで米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、23時過ぎに一時0.9708ドルと日通し安値を付けた。その後の戻りも0.9768ドル付近にとどまった。

 ユーロ円は4日続伸。終値は144.62円と前営業日NY終値(143.94円)と比べて68銭程度のユーロ高水準。21時前に一時143.48円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると持ち直した。24時過ぎには一時144.84円と日通し高値を更新した。

 オセアニア通貨は軟調だった。一時は390ドル超上昇したダウ平均が失速し、420ドル超下落するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6194米ドル、NZドル米ドルは0.5550米ドルまで値を下げたほか、豪ドル円は92.11円、NZドル円は82.57円と日通し安値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:147.06円 - 148.86円
ユーロドル:0.9708ドル - 0.9808ドル
ユーロ円:143.48円 - 144.84円

(中村)
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