ニューヨーク外国為替市場概況・13日 ドル円、7日続伸

 13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は7日続伸。終値は147.12円と前営業日NY終値(146.91円)と比べて21銭程度のドル高水準だった。注目の9月米消費者物価指数(CPI)が総合/コアともに予想を上回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まり、米長期金利の上昇とともドル買いが活発化。上値の目処として意識されていた1998年8月の高値147.66円を上抜けて一時147.67円と90年8月以来の高値を付けた。
 ただ、32年ぶりの高値を付けたことで、政府・日銀による円買い介入への警戒感が強まると一転下落した。高値更新から約1分で146.50円の本日安値まで売り込まれた。
 もっとも、日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、そのあとは147.51円付近まで持ち直した。米国株相場の持ち直しに伴うクロス円の上昇もドル円のサポートとなった。

 ユーロドルは反発。終値は0.9776ドルと前営業日NY終値(0.9703ドル)と比べて0.0073ドル程度のユーロ高水準だった。予想を上回る米インフレ指標をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時0.9633ドルと日通し安値を付けたものの、米長期金利の上昇が一服すると再び強含む展開に。一時は540ドル超下落したダウ平均が上げに転じ、950ドル超上昇すると為替市場ではリスク・オンのドル売りが加速。2時30分過ぎに一時0.9806ドルと日通し高値を更新した。
 なお、米10年債利回りは一時4.0754%前後と2008年10月以来14年ぶりの高水準を付けたものの、そのあとは3.89%台まで低下する場面があった。

 ユーロ円は3日続伸。終値は143.94円と前営業日NY終値(142.57円)と比べて1円37銭程度のユーロ高水準。米CPI発表後は株価の急落とともにリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り一時141.78円と日通し安値を付けた。ただ、ダウ平均が寄り付き直後に付けた日通し安値から1500ドル上昇し3万ドル台を回復するとリスク・オフの巻き戻しによる円売り・ユーロ買いが優勢となった。2時30分過ぎには一時144.09円まで上値を伸ばした。

 ポンド円は急伸。「英当局者らはトラス首相の減税計画を方向転換する作業を進めている」との一部報道が伝わると、英財政悪化への懸念が和らぎ全般ポンド買いが進行。米国株相場の持ち直しに伴う円売り・ポンド買いも出て一時167.29円まで値を上げた。日本時間夕刻に付けた日通し安値162.32円から約5円の上昇となった。

本日の参考レンジ
ドル円:146.50円 - 147.67円
ユーロドル:0.9633ドル - 0.9806ドル
ユーロ円:141.78円 - 144.09円

(中村)
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