ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、6日続伸

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は6日続伸。終値は146.91円と前営業日NY終値(145.86円)と比べて1円05銭程度のドル高水準だった。訪米中の黒田東彦日銀総裁が金融緩和の継続を改めて表明したうえ、この日発表の9月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったため、円売り・ドル買いが優勢となった。2時前には一時146.97円と1998年8月以来24年ぶりの高値を付けた。
 ただ、9月20-21日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表後に米10年債利回りが3.88%台まで低下すると、ドル円も146.66円付近まで下押しする場面があった。
 なお、FOMC議事要旨では「多くの当局者は進行中の容認できないほど高いインフレを懸念」「インフレを引き下げるための措置が少なすぎることのコストは、多くの措置を実施し過ぎるコストを上回る」との見解が示された。一方、「数人の当局者は経済見通しに重大な悪影響が及ぶリスクを軽減するために、一段の政策引き締めのペースを調整することが重要と主張した」ことが明らかになった。

 ユーロドルは小反落。終値は0.9703ドルと前営業日NY終値(0.9708ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ安水準だった。NY市場に限れば大きな方向感が出なかった。高インフレの長期化や欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ観測を背景に、ユーロ圏景気の一段の悪化を懸念する向きは多く、ユーロ売りが出やすい地合いとなった。24時前には一時0.9668ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが出ると持ち直した。米長期金利の低下に伴うドル売りも出て0.9720ドル付近まで強含む場面があった。

 ユーロ円は続伸。終値は142.57円と前営業日NY終値(141.62円)と比べて95銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入り一時142.63円と日通し高値を付けたものの、ユーロドルの下落などにつれた売りが出たため、上昇のスピードは緩やかだった。

本日の参考レンジ
ドル円:145.73円 - 146.97円
ユーロドル:0.9668ドル - 0.9734ドル
ユーロ円:141.43円 - 142.63円

(中村)
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