欧州マーケットダイジェスト・17日 株高・金利低下・ポンド高・円安

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.84円(17日15時時点比△0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.47円(△1.44円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9841ドル(△0.0089ドル)
FTSE100種総合株価指数:6920.24(前営業日比△61.45)
ドイツ株式指数(DAX):12649.03(△211.22)
10年物英国債利回り:3.977%(▲0.358%)
10年物独国債利回り:2.269%(▲0.077%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ポンドは全面高。ハント英財務相はこの日、市場の混乱を招いたトラス政権の減税計画について「ほぼ全てを撤回する」と表明。英財政悪化への懸念が和らぎポンドを買い戻す動きが優勢となった。対ドルでは一時1.1439ドル、対ユーロでは0.8579ポンド、対円では170.09円まで値を上げた。

・ユーロドルはしっかり。英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことで、英金融市場の混乱が収束に向かうとの期待が高まり欧州株相場が堅調に推移。為替市場ではリスク・オンのドル売りが優勢となった。10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲9.1と予想の▲4.0を下回ったこともドル売りを促した。前週末の高値0.9808ドルを上抜けて、一時0.9852ドルまで上値を伸ばした。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時111.92と日通し安値を付けた。

・ドル円は高値圏でもみ合い。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが優勢となった。前週末の高値148.86円を上抜けて一時148.89円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。
 ただ、買い一巡後はもみ合いの展開に。欧米株価の上昇に伴うリスク・オンの円売りとドル売りが同時に出たため、ドル円自体は方向感が出なかった。

・ユーロ円は下値が堅い。英財政規律を巡る市場の懸念が後退し欧州株相場が上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。NY市場に入り、ダウ平均が一時670ドル超上昇すると円売りがさらに強まり、一時146.56円まで上値を伸ばした。

・ロンドン株式相場は3日続伸。ハント英財務相はこの日、市場の混乱を招いたトラス政権の減税計画について「ほぼ全てを撤回する」と表明。英金融市場の混乱が収束に向かうとの期待から、株式への買いが広がった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株の上昇が目立ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株に買いが集まった。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことを受けて、英金融市場の混乱が収束に向かうとの期待が高まると欧州株全般に買いが広がった。個別ではボノビア(5.25%高)やザランド(4.48%高)、アディダス(3.56%高)などの上昇が目立ち、バイヤスドルフ(0.15%安)を除く39銘柄が上昇した。

・欧州債券相場は上昇。英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことで、英財政悪化への懸念が後退。英国債に買い戻しが広がった。

(中村)
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