ロンドン為替見通し=ユーロ圏・英国の9月インフレ率と英国債市場の動向に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ウクライナ情勢に警戒しながら、9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の改定値を見極める展開が予想される。
 ポンドドルは、9月英消費者物価指数を見極めた後、英国債市場の動向に注目する展開が予想される。

 ウクライナ情勢に関しては、中国外務省がウクライナ在住の中国人に対して国外退去を通知した、との報道があり、ロシアによる大規模な攻撃の可能性が警戒されており、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

 9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が上方修正された場合、27日の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利上げ幅が0.75~1.00%となる可能性が高まることで要注目か。

 イングランド銀行は、昨日、延期されていたポートフォリオの国債を売却するプログラムを、11月1日に開始すると明らかにした。発表は、英国債市場の終了後だったことで、本日の英国債市場の反応に注目したい。10-12月(第4四半期)の売りは短期物と中期物に限られ、長期債は当初の売却には含まれないため、下値は限定的だと思われる。
 トラス英首相は辞任を否定しているものの、英議会の約100人の議員が、保守党の運営委員会(通称「1922年委員会」)のグラハム・ブレイディ委員長に対して、トラス党首の不信任を求める書簡を綴った、と報道されている。

 今後のリスクシナリオは、トラス英首相が辞任に追い込まれる可能性と政局の混迷懸念となる。英国は冬に向かってエネルギー危機への警戒感が高まりつつあり、欧州連合(EU)との北アイルランドを巡る協議も暗礁に乗り上げており、レームダック化したトラス英政権では対応が困難となりつつある。

想定レンジ上限
・ユーロドル: 0.9999ドル(10月4日の高値)
・ユーロ円:148.88円(2014年12月9日の高値)
・ポンドドル:1.1439ドル(10月17日の高値)
・ポンド円: 170.09円(10月17日の高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル: 0.9755ドル(一目・転換線)
・ユーロ円:146.72円(10月17日の高値)
・ポンドドル:1.1182ドル(一目・転換線)
・ポンド円:167.62円(10月18日の安値)


(山下)
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