欧州マーケットダイジェスト・19日 株安・英長期金利低下・ポンド安
(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.88円(19日15時時点比△0.58円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.37円(▲0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9766ドル(▲0.0068ドル)
FTSE100種総合株価指数:6924.99(前営業日比▲11.75)
ドイツ株式指数(DAX):12741.41(▲24.20)
10年物英国債利回り:3.878%(▲0.072%)
10年物独国債利回り:2.376%(△0.091%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
9月英消費者物価指数(CPI)
前月比 0.5% 0.5%
前年比 10.1% 9.9%
CPIコア指数(前年比) 6.5% 6.3%
9月英小売物価指数(RPI)
前月比 0.7% 0.6%
前年比 12.6% 12.3%
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比 9.9% 10.0%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比 4.8% 4.8%
8月ユーロ圏建設支出
前月比 ▲0.6% 0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルは軟調。9月英消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが伝わると、高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されてポンド売りが優勢となった。市場では「英財政への懸念が薄らぐ一方、BOEの金融政策運営やトラス英首相の政権担当能力など、先行き不透明感が増している」との声も聞かれ、一時1.1186ドルと日通し安値を付けた。ポンド円も一時167.64円まで値を下げた。
なお、英国では政局不安が高まっている。トラス英首相が打ち出した大型減税策が市場の混乱を招いた問題で、与党・保守党内からも首相の引責辞任を求める声が上がっているほか、14日のクワーテング氏の財務相解任に続き、本日は「ブレイバーマン英内相が国家安全保障違反で解任された」と伝わった。
・ドル円はじり高。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も続いた。米20年債入札が「低調」と伝わると、米10年債利回りが一時4.1335%前後と2008年7月以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、2時過ぎに一時149.89円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。
ただ、心理的節目である150円に迫る中、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、上昇のスピードは緩やかだった。
・ユーロドルは頭が重かった。高インフレの長期化や欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ観測を背景に、ユーロ圏景気の一段の悪化を懸念する向きは多く、ユーロ売りが出やすい地合いとなった。米長期金利の大幅上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、2時過ぎに一時0.9757ドルと日通し安値を更新した。
安く始まった米国株が上げに転じた場面ではリスク・オフのドル買いが後退したため、ユーロドルは0.98ドル台前半まで下げ渋ったが、米国株が再び下落するとリスク・オフのドル買いが強まった。
・ユーロ円は戻りが鈍い。ユーロドルの下落や欧州株安に伴う円買い・ユーロ売りが先行し、20時過ぎに一時146.08円と本日安値を付けた。23時30分過ぎには146.70円付近まで下げ渋る場面もあったが、ダウ平均が300ドル近く下落すると再び上値が重くなった。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに小反落。9月英CPIの上振れで、高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されると売りが優勢となった。半面、外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業を中心に買いが入り相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに目先の利益を確定する目的の売りが優勢となった。時間外のダウ先物が下げに転じたことなども相場の重し。個別ではザルトリウス(18.49%安)やメルク(4.49%安)、キアゲン(4.11%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。ECBの大幅利上げ観測を背景に独国債には売りが出た。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=149.88円(19日15時時点比△0.58円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.37円(▲0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9766ドル(▲0.0068ドル)
FTSE100種総合株価指数:6924.99(前営業日比▲11.75)
ドイツ株式指数(DAX):12741.41(▲24.20)
10年物英国債利回り:3.878%(▲0.072%)
10年物独国債利回り:2.376%(△0.091%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
9月英消費者物価指数(CPI)
前月比 0.5% 0.5%
前年比 10.1% 9.9%
CPIコア指数(前年比) 6.5% 6.3%
9月英小売物価指数(RPI)
前月比 0.7% 0.6%
前年比 12.6% 12.3%
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
前年比 9.9% 10.0%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
前年比 4.8% 4.8%
8月ユーロ圏建設支出
前月比 ▲0.6% 0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドドルは軟調。9月英消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが伝わると、高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されてポンド売りが優勢となった。市場では「英財政への懸念が薄らぐ一方、BOEの金融政策運営やトラス英首相の政権担当能力など、先行き不透明感が増している」との声も聞かれ、一時1.1186ドルと日通し安値を付けた。ポンド円も一時167.64円まで値を下げた。
なお、英国では政局不安が高まっている。トラス英首相が打ち出した大型減税策が市場の混乱を招いた問題で、与党・保守党内からも首相の引責辞任を求める声が上がっているほか、14日のクワーテング氏の財務相解任に続き、本日は「ブレイバーマン英内相が国家安全保障違反で解任された」と伝わった。
・ドル円はじり高。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も続いた。米20年債入札が「低調」と伝わると、米10年債利回りが一時4.1335%前後と2008年7月以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、2時過ぎに一時149.89円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。
ただ、心理的節目である150円に迫る中、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、上昇のスピードは緩やかだった。
・ユーロドルは頭が重かった。高インフレの長期化や欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ観測を背景に、ユーロ圏景気の一段の悪化を懸念する向きは多く、ユーロ売りが出やすい地合いとなった。米長期金利の大幅上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、2時過ぎに一時0.9757ドルと日通し安値を更新した。
安く始まった米国株が上げに転じた場面ではリスク・オフのドル買いが後退したため、ユーロドルは0.98ドル台前半まで下げ渋ったが、米国株が再び下落するとリスク・オフのドル買いが強まった。
・ユーロ円は戻りが鈍い。ユーロドルの下落や欧州株安に伴う円買い・ユーロ売りが先行し、20時過ぎに一時146.08円と本日安値を付けた。23時30分過ぎには146.70円付近まで下げ渋る場面もあったが、ダウ平均が300ドル近く下落すると再び上値が重くなった。
・ロンドン株式相場は5日ぶりに小反落。9月英CPIの上振れで、高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されると売りが優勢となった。半面、外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい多国籍企業を中心に買いが入り相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに目先の利益を確定する目的の売りが優勢となった。時間外のダウ先物が下げに転じたことなども相場の重し。個別ではザルトリウス(18.49%安)やメルク(4.49%安)、キアゲン(4.11%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。ECBの大幅利上げ観測を背景に独国債には売りが出た。
(中村)