ニューヨーク外国為替市場概況・21日 ドル円、13日ぶり反落

 21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は13営業日ぶりに反落。終値は147.65円と前営業日NY終値(150.15円)と比べて2円50銭程度のドル安水準だった。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も先行し、21時30分過ぎに一時151.95円と1990年7月以来32年ぶりの高値を更新した。米10年債利回りが一時4.3354%前後と2007年11月以来の高水準を記録したことも相場の支援材料となった。
 ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入ると一転売りが優勢に。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は最新の投稿で「11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げを決め、12月に0.50%に利上げペースを落とすかどうかを議論する公算が大きい」「一部の当局者は過度な景気悪化を警戒し、利上げ減速や来年早々の利上げ停止を求めている」と指摘。米利上げ減速観測が高まると、米金利が急低下しドル売りが広がった。
 23時30分頃からは円買いが活発化した。市場では政府・日銀による円買い介入観測が高まり、一時146.23円まで急速に値を下げた。日経新聞は関係者の話として「政府・日銀は為替介入に踏み切った」と報じた。
 市場では「WSJの記事で米利上げ減速観測が高まったのを見計らったかのような絶妙のタイミング」「週末のNY時間に介入はないだろうと予想していた投資家は多かった」との声が聞かれた。

 ユーロドルは続伸。終値は0.9862ドルと前営業日NY終値(0.9786ドル)と比べて0.0076ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利が15年ぶりの高水準を更新したことを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時0.9705ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。WSJ記事をきっかけに米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まると、米金利が急低下し一転ドル売りが進んだ。一時は120ドル超下落したダウ平均が780ドル超上昇したこともリスク・オンのドル売りを促し、4時30分前には0.9869ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時111.70まで低下した。
 なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁はこの日、「利上げペースを緩める時期に近づいている可能性」などと発言。タカ派とみられていたデイリー氏の姿勢がハト派に傾いたこともドル売りを誘った。

 ユーロ円は反落。終値は145.68円と前営業日NY終値(146.95円)と比べて1円27銭程度のユーロ安水準。23時過ぎに一時148.40円と2014年12月以来の高値を付けたものの、そのあとは政府・日銀による円買い介入観測を背景に144.13円まで一転急落した。

本日の参考レンジ
ドル円:146.23円 - 151.95円
ユーロドル:0.9705ドル - 0.9869ドル
ユーロ円:144.13円 - 148.40円

(中村)
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