ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ドル円、12日続伸

 20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は12日続伸。終値は150.15円と前営業日NY終値(149.90円)と比べて25銭程度のドル高水準だった。政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、米国株相場の上昇を手掛かりにリスク・オンのドル売りが先行すると、一時149.56円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米10年債利回りが一時4.2409%前後と2008年6月以来の高水準を記録すると全般ドル買いが活発化し、一時150.29円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。
 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が「インフレ抑制の進展が見られず失望している。政策金利を年末までに4%をはるかに上回る水準まで引き上げるだろう」と述べ、クック米連邦準備理事会(FRB)理事が「インフレは依然として容認できないほど高い」と発言したこともドル買いを誘った。

 ユーロドルは小反発。終値は0.9786ドルと前営業日NY終値(0.9773ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ高水準だった。ダウ平均が一時400ドル近く上昇するなど、米国株相場が上昇して始まるとリスク・オンのドル売りが先行。ポンドドルの上昇につれた買いも入り、一時0.9845ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、米国株相場が下げに転じると一転ドル買い戻しが優勢に。米10年債利回りが4.24%台まで上昇したことも相場の重しとなり、0.9773ドル付近まで押し戻された。

 ユーロ円は反発。終値は146.95円と前営業日NY終値(146.51円)と比べて44銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇や米国株高を手掛かりに円売り・ユーロ買いが先行。24時前に一時147.30円と2014年12月以来の高値を更新した。ただ、ユーロドルが上げ幅を縮め、米国株が失速するとユーロ円も上値が重くなった。

 ポンドドルは頭が重かった。大規模減税策をきっかけに市場を混乱させたトラス英首相が辞任を表明すると、ポンド買い戻しが先行。市場では「市場の混乱を招いた財政拡大策からの転換が進むと期待された」との声が聞かれ、一時1.1336ドルまで値を上げた。
 ただ、NY午後に入ると次第に弱含んだ。米長期金利の上昇に伴うポンド売り・ドル買いが出て、一時1.1203ドル付近まで下押しした。市場関係者からは「来週の英保守党党首選や月末の中期財政計画発表を控えて、当面の政治的な不透明感が拭えない」との声が聞かれた。

本日の参考レンジ
ドル円:149.56円 - 150.29円
ユーロドル:0.9755ドル - 0.9845ドル
ユーロ円:146.24円 - 147.30円

(中村)
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