ニューヨーク外国為替市場概況・19日 ドル円、32年ぶり高値

 19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は11日続伸。終値は149.90円と前営業日NY終値(149.26円)と比べて64銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も続いた。米20年債入札が「低調」と伝わると、米10年債利回りが一時4.1377%前後と2008年7月以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、一時149.91円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。
 ただ、心理的節目である150円に迫る中、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、一本調子で上昇する展開にはならなかった。

 ポンドドルは軟調。英財政への懸念が薄らぐ一方、英中銀(BOE)の金融政策運営やトラス英首相の政権担当能力など、先行き不透明感が増しており一時1.1186ドルと日通し安値を付けた。ポンド円も一時167.64円まで値を下げた。
 なお、英国では政局不安が高まっている。ブレイバーマン英内相はこの日、大型減税など経済対策の撤回に追い込まれ、逆風が強まっているトラス首相を暗に批判した形で辞任した。14日に財務相を解任されたクワーテング氏に続き、トラス氏は主要閣僚2人を失った。市場では「短期間での重要閣僚の交代は、求心力が下がっているトラス政権にさらなる打撃となるだろう」との声が聞かれた。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は0.9773ドルと前営業日NY終値(0.9858ドル)と比べて0.0085ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の大幅上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、2時過ぎに一時0.9757ドルと日通し安値を更新した。
 安く始まった米国株が上げに転じた場面ではリスク・オフのドル買いが後退したため、ユーロドルは0.98ドル台前半まで下げ渋ったが、米国株が失速するとリスク・オフのドル買いが再び強まった。

 ユーロ円は7日ぶりに反落。終値は146.51円と前営業日NY終値(147.13円)と比べて62銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落や欧州株安に伴う売りが出ると一時146.08円と本日安値を付けた。23時30分過ぎには146.70円付近まで下げ渋る場面もあったが、ダウ平均が300ドル近く下落すると再び上値が重くなった。

本日の参考レンジ
ドル円:149.11円 - 149.91円
ユーロドル:0.9757ドル - 0.9872ドル
ユーロ円:146.08円 - 147.26円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。