株式明日の戦略-米国株安を受けても上昇、休場前でも売り圧力は限定的か

 11月に入り1日の日経平均は続伸。終値は91円高の27678円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり849/値下がり911。月が替わってもソフトバンクGが強く、連日で年初来高値を更新。1Qの大幅営業増益が好感されたメルカリが17%高と爆騰した。主力どころの銘柄に決算やリリースで跳ねた銘柄が多く、JT、コマツ、パナソニックなどが大幅高。中小型では、上方修正を発表した冶金工、JVCケンウッド、スミダコーポなどがストップ高となった。1Qは大幅増益も受注減速が警戒されて売り気配スタートとなったレーザーテックは、早い時間に下げ止まってプラス転換。小幅なプラスではあったがローソク足では実体の長い陽線を形成した。

 一方、上期が35%営業減益となったトヨタが2%近い下落。デンソーやトヨタ紡織など傘下の銘柄にも連れ安するものが散見された。決算を受けてJR東海やJR東日本が下落。京セラ、東洋製缶、LIXILなどが大幅安となった。上方修正を発表したダブルスコープは買いが先行したものの、寄り付き直後を高値にマイナス圏に沈んだ。

 日経平均は続伸。値幅はそれほど出なかったが、終日値動きが落ち着いていたことは特筆される。東京市場は11月FOMCの結果を確認する前に休場に入る。今年は何度もFOMC前後で相場が荒れており、直前のあすは腰の入った買いは期待しづらい。日本株も足元でそれなりに動きが良くなっており、利益確定、リスク回避の両面で売り需要は発生しやすい。そういった状況にもかかわらず、指数はむしろ引けにかけて強含んだ。11月FOMCに対する警戒よりも、決算プレイの盛り上がりが勝ったようにも見える。休場明けの4日は、FOMCを受けた2日分の米国株の動きを消化することになるが、引き続き決算発表も多く、個別物色の活況が期待できる。あす2日も同様に、決算銘柄の売買が盛り上がる可能性が高い。米国のショック的な下げに対する警戒を解く局面ではないが、目先で日本株が大崩れするリスクは低下しつつある。
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