ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ユーロドル、4日ぶり反落

 9日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.0011ドルと前営業日NY終値(1.0074ドル)と比べて0.0063ドル程度のユーロ安水準だった。米10年債利回りが4.17%台まで上昇したことなどを手掛かりに全般ドル買いが先行。ダウ平均が一時680ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したこともリスク・オフのドル買いを促し、4時30分過ぎに一時0.9993ドルと日通し安値を付けた。
 「ショイグ露国防相はヘルソン市からの撤退を命令した」との報道が伝わると、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぎ1.0086ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。アジア時間に付けた日通し高値1.0088ドルが目先レジスタンスとして意識されたほか、ウクライナ大統領顧問が「ヘルソン市にはまだ露軍が留まっており、増員されている」と明らかにしたことが嫌気された。

 ドル円は反発。終値は146.47円と前営業日NY終値(145.68円)と比べて79銭程度のドル高水準だった。米国株相場の下落に伴うリスク・オフのドル買いが優勢となり、一時146.80円と日通し高値を更新した。米10年債利回りは米10年債入札後に4.17%台まで上昇したものの、引けにかけては4.05%台まで急低下した。
 なお、米中間選挙の開票結果については「大勢が明らかになるまでには時間がかかる可能性」と報じられており、市場の関心は「明日10日の10月米消費者物価指数(CPI)へと移行している」との声が聞かれた。

 ユーロ円は続落。終値は146.60円と前営業日NY終値(146.77円)と比べて17銭程度のユーロ安水準。21時30分過ぎに一時146.32円と本日安値を付けたものの、24時過ぎには147.10円と本日高値を付けた。ただ、そのあとは146円台半ばまで押し戻された。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはこの日も売りが継続。対ドルでは一時1万5665ドル前後と2020年11月以来約2年ぶりの安値を更新したほか、対円では230万円台と20年12月以来の安値を付けた。仮想通貨交換業最大手バイナンスが資金繰りに行き詰まっている同業大手のFTXトレーディングへの買収提案を「撤回した」と伝わると、売りが膨らんだ。
 バイナンスが買収に向けた査定を進めた結果、FTXの財務に大きな穴があることがわかり、発表後わずか1日で買収を取りやめる異例の事態となった。さらに、米当局はFTXと関連事業について「顧客資金や融資を巡る調査を実施する」との報道も伝わった。

本日の参考レンジ
ドル円:145.18円 - 146.80円
ユーロドル:0.9993ドル - 1.0088ドル
ユーロ円:146.32円 - 147.10円

(中村)
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