ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、大幅反落

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は大幅に反落。終値は140.98円と前営業日NY終値(146.47円)と比べて5円49銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した10月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%/前年比7.7%と予想の前月比0.6%/前年比8.0%を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.3%/前年比6.3%と予想の前月比0.5%/前年比6.5%より弱い内容だったことが分かると、米国の記録的なインフレが和らぎ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げのペースが減速するとの見方が強まった。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、6時過ぎに一時140.21円と9月5日以来の安値を付けた。
 市場では「注目のコア指数が鈍化したことは米インフレがピークを付けつつあることを示唆。これが継続すれば、FRBは近く利上げをいったん停止するだろう」との声も聞かれた。

 ユーロドルは反発。終値は1.0209ドルと前営業日NY終値(1.0011ドル)と比べて0.0198ドル程度のユーロ高水準だった。米重要指標の発表を控えて持ち高調整目的のユーロ売り・ドル買いが先行すると、20時過ぎに一時0.9936ドルと日通し安値を付けたものの、10月米CPIの下振れをきっかけに一転上昇した。6時過ぎには一時1.0222ドルと8月15日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。
 なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.71と9月13日以来の低水準を付けた。

 ユーロ円は3日続落。終値は143.91円と前営業日NY終値(146.60円)と比べて2円69銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったものの、ドル円の下落につれた売りが優勢となったため軟調に推移した。6時過ぎには一時143.21円と日通し安値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:140.21円 - 146.59円
ユーロドル:0.9936ドル - 1.0222ドル
ユーロ円:143.21円 - 146.75円


(中村)
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