ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ドル円、3日ぶり反発

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は139.89円と前営業日NY終値(138.81円)と比べて1円08銭程度のドル高水準だった。週明け早朝取引に伝わったウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言が意識されて円売り・ドル買いが先行。20時30分前に一時140.80円と日通し高値を付けた。
 ただ、ブレイナードFRB副議長がイベントで「おそらく利上げペースを減速するのが間もなく適切になるだろう」と発言すると139.65円付近まで伸び悩んだ。米国のインフレがピークアウトしたとの期待から、FRBが利上げペースを緩めるとの観測は根強い。

 ユーロドルは3日ぶりに小反落。終値は1.0327ドルと前営業日NY終値(1.0347ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ安水準だった。パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事が「需給動向の不確実性から、どの程度の金融政策の調整が必要かについては慎重であり続ける必要がある」と発言するとユーロ売り・ドル買いが先行し、21時過ぎに一時1.0272ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後はブレイナードFRB副議長の発言などを手掛かりに買い戻しが進み、1.0359ドル付近まで下げ渋った。

 ユーロ円は5日ぶりに反発。終値は144.48円と前営業日NY終値(143.61円)と比べて87銭程度のユーロ高水準。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りが出たほか、ユーロドルの持ち直しに伴うユーロ買いが入り一時145.24円と日通し高値を付けた。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは下げ渋り。仮想通貨交換業最大手バイナンスのチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)が「FTXトレーディングの破綻の悪影響が連鎖することを抑えるため、業界の回復基金設立に動く」と表明すると、対ドルで一時1万7146ドル前後、対円で240万円台まで買い戻される場面があった。

本日の参考レンジ
ドル円:138.46円 - 140.80円
ユーロドル:1.0272ドル - 1.0367ドル
ユーロ円:143.40円 - 145.24円

(中村)
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