ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ユーロドル、続伸

 16日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0395ドルと前営業日NY終値(1.0349ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ高水準だった。欧州市場では一時1.0438ドルまで買われる場面もあったが、NY市場では上値の重さが目立った。前日の高値1.0479ドルがレジスタンスとして意識されたほか、10月米小売売上高が予想を上回ったことが相場の重しとなった。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーから大幅な引き締め継続に慎重な発言が相次いだこともユーロの上値を抑えた。「ECB理事会メンバーらは来月の理事会で0.50%の利上げを支持」との観測報道が伝わると、一時1.0355ドル付近まで下押しした。
 なお、ビスコ・イタリア中銀総裁はこの日、「過去数カ間にしてきたほど積極的ではない方法を取るべき理由が高まっている」と述べたほか、デコス・スペイン中銀総裁が「政策金利が到達すべき具体的な水準は不確実で、完全にデータに依存する」などと発言した。

 ドル円は小反発。終値は139.50円と前営業日NY終値(139.28円)と比べて22銭程度のドル高水準だった。ただ、NY市場では大きな方向感が出なかった。10月米小売売上高が予想を上回ったことで円売り・ドル買いが出ると一時140.03円付近まで上げたものの、10月米鉱工業生産が予想を下回ったことが伝わると139.05円付近まで下押しした。米10年債利回りが低下したことも相場の重し。
 なお、ジョージ米カンザスティ連銀総裁は「利上げを継続する必要はあるが、ペースは緩めるべき」「景気後退を引き起こすことなくインフレを低下させることは困難」と述べたほか、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「現在、利上げの一時停止は検討されておらず、ペースは議論中」「政策金利を4.75-5.25%の範囲に引き上げることは妥当」などと発言。また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「0.50%の利上げ減速に対する違和感は薄れた」などと語った。

 ユーロ円は反発。終値は145.03円と前営業日NY終値(144.15円)と比べて88銭程度のユーロ高水準。22時30分過ぎに一時145.50円と日通し高値を付けたものの、3時30分前には144.59円付近まで伸び悩んだ。ECBによる積極的な金融引き締め観測が後退すると円買い・ユーロ売りが入った。

本日の参考レンジ
ドル円:138.74円 - 140.29円
ユーロドル:1.0331ドル - 1.0438ドル
ユーロ円:143.57円 - 145.50円

(中村)
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