ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ユーロドル、小反発

 15日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは小反発。終値は1.0349ドルと前営業日NY終値(1.0327ドル)と比べて0.0022ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の11月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを受けて、NY市場に入ってもユーロ買い・ドル売りが進行。10月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%/前年同月比8.0%と予想の前月比0.4%/前年同月比8.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比横ばい/前年同月比6.7%と予想の前月比0.3%/前年同月比7.2%より弱い数字となったことが分かるとドル売りがさらに進んだ。22時30分過ぎには一時1.0479ドルと7月1日以来の高値を付けた。
 ただ、ユーロの上値は重かった。「ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出た」との報道が伝わると、ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念されてユーロ売りが優勢に。アジア時間の安値1.0312ドルを下抜けると一時1.0280ドルまで下げ足を速めた。

 ドル円は反落。終値は139.28円と前営業日NY終値(139.89円)と比べて61銭程度のドル安水準だった。米PPIの下振れを受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの見方が強まると一時137.68円と8月29日以来の安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利が低下幅を縮めたことなどが相場を下支えして、139.69円付近まで下げ渋った。クックFRB理事やバーFRB副議長が「インフレは高すぎる」との見解を示したことも買い戻しを誘った。

 ユーロ円も反落。終値は144.15円と前営業日NY終値(144.48円)と比べて33銭程度のユーロ安水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは方向感が出なかったが、ロシアのミサイルがポーランドに着弾したと伝わると、欧州の地政学リスクが警戒されて円買い・ユーロ売りが優勢となった。一時は450ドル超上昇したダウ平均が失速し、210ドル超下落したことも相場の重しとなり、143.35円と日通し安値を更新した。
 なお、ポーランドズロチは大幅に下落。対ドルでは一時4.6160ズロチ、対ユーロでは4.7487ズロチまで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:137.68円 - 140.62円
ユーロドル:1.0280ドル - 1.0479ドル
ユーロ円:143.35円 - 145.36円

(中村)
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