ニューヨーク外国為替市場概況・17日 ドル円、続伸

訂正;一部文章を訂正します

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は140.20円と前営業日NY終値(139.50円)と比べて70銭程度のドル高水準だった。欧州序盤に138.88円と日通し安値を付けたものの、前日の安値138.74円が目先サポートとして意識されるとじりじりと下値を切り上げる展開となった。
 ブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、「現行の政策金利は十分に制約的な水準を下回っている」「少なくとも5%程度まで金利を引き上げる必要があり、より厳格な仮定では7%以上への利上げが推奨される」などと発言。米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、前日の高値140.29円を上抜けて一時140.74円まで上値を伸ばした。
 なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁はイベントで「政策金利をどこまで引き上げなければならないかはまだ分からない」などと語った。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0362ドルと前営業日NY終値(1.0395ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準だった。ブラード氏が金融引き締めに積極的な「タカ派姿勢」を示したことで、このところ強まっていた利上げペースの減速観測が後退。米長期金利が上昇しドル買いが進んだ。前日の安値1.0331ドルを下抜けて、23時過ぎに一時1.0305ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、15日の安値1.0280ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。ユーロ豪ドルやユーロポンドなど一部ユーロクロスが上昇したことも相場を下支えした。

 ユーロ円は続伸。終値は145.29円と前営業日NY終値(145.03円)と比べて26銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出て、4時30分過ぎに一時145.47円と日通し高値を付けた。

 ポンドドルは頭が重かった。スナク英政権はこの日、大規模な増税と歳出削減による総額約550億ポンドの財政改革計画を発表したものの、高インフレが長期化する中、景気の落ち込みが深刻化するとの懸念は根強く、ポンド売りが優勢となった。市場では「国民の暮らしに打撃を与える記録的なインフレを早期に解消できるか不透明」との声が聞かれ、一時1.1764ドルと日通し安値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:138.88円 - 140.74円
ユーロドル:1.0305ドル - 1.0406ドル
ユーロ円:144.45円 - 145.47円

(中村)
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