NY為替見通し=ドル円、米11月ISM非製造業指数のネガティブサプライズに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、米11月ISM非製造業指数のネガティブサプライズに警戒する展開が予想される。

 米11月ISM非製造業指数は53.5と予想されており、10月の54.4からの低下が見込まれている。ISM非製造業指数は、8月の56.9から9月は56.7、10月は54.4と低下傾向にあることで、予想通りならば、パウエルFRB議長が懸念を表明した引き締め過ぎるリスクへの警戒感が高まることになる。先週発表された11月ISM製造業景気指数は10月から1.2ポイント低い49.0となり、好不況の節目である50を下回った。「不況」を示す50割れは、新型コロナウイルスの感染が米国で拡大していた2020年5月以来、2年半ぶりだった。
 本日のISM非製造業指数のリスクシナリオとしては、50割れのネガティブサプライズによる米10年債利回り低下、ドル売り加速の可能性に警戒しておきたい。
 米10年債利回りは、10月21日の4.335%、11月8日の4.241%でダブルトップ、変則的なヘッドアンドショルダーを形成しつつあり、先週末には3.47%まで低下して、攻防の分岐点であるネック・ラインの3.558%や日足一目均衡表・雲の下限の3.584%を下抜けた。
 現在は、攻防の分岐点付近で推移しているものの、ドル高を先導してきた米10年債利回りの低下基調が確認された場合、米金利低下を受けたドル売りに拍車がかかる可能性が高まることで注視しておきたい。
 ドル円の注目水準は、200日移動平均線の134.61円となっており、ユーロドルは200MAの1.0364ドルを上抜けて上昇トレンド、ポンドドルも200MAの1.2144ドルを上抜けて上昇トレンドを形成していることで、明確な下割れには警戒しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値の目処(めど)は、12月2日の高値の135.98円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値の目処(めど)は、12月2日の安値の133.63円。



(山下)
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